政府系アプリ前途多難
新型コロナで落ち込んだ景気を救うものは、エネルギーの「グリーン化」と行政の「デジタル化」と言われています。エネルギー問題は、いつか別のところで解説したいと思いますが、今回は行政のデジタル化の問題について。
今週末に届いたニュースは、新型コロナで途絶えていた海外からの人材受け入れのために導入された新システム「エルフス ERFS」の不具合。あまり聞きなれないアプリですが、外国人の新規入国を再開するために政府が導入した、入国者を受け入れる企業から氏名や国籍、滞在場所などの情報を集める仕組みだそうです。それが、最大で6万人分の個人情報が誰でも覗ける状態になっていたということです。
まあ、それはたいへんな失態なのかと思いますが、こういうことは繰り返し起こってきました。開発に真剣味が足りないのか人材不足なのか、あるいは、もしかしたら、本気で現場で使うことを想定していないのか、どこか、ネジがきちっと入っていないのだろうなと推測します。
同じような、新規システムは決まってトラブルが報道されます。
「ココア COCOA」携帯電話に入れておけば新型コロナの感染者との接触を確認できるアプリですが、アンドロイド版で接続できない不具合が数か月も停滞していたとの報道がありました。
「ハーシス HER-SYS」感染者情報を一元管理するシステムのはずが、数々の不具合があって、各自治体の集計は自治体任せになっているとのことでしたが、改善はあったのでしょうか。
シロウト考えですが、企業の人事管理ソフトのような、現に動いているものを流用すればいいものを、新規に相当の費用をかけてゼロから作っているのではないかと想像されます。
先進国のなかで行政のデジタル化の順位は最下位に近いほうだという我が国の状況が少しでも改善されることを願っています。
(近所の公園では、早咲きの河津桜が満開です)