がんばれ、建設キャリアアップシステム

 

外国人技能実習生の処遇改善の一環で、建設キャリアアップシステム(CCUS)登録という制度があります。

そもそも、建設キャリアアップシステムとは、建設業に関わる技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるための仕組みのことで、資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを登録・蓄積するシステムです。国土交通省が推進しています。分かり易く表現すれば、建設業の現場の3百万人の技能者が全員、マイナンバーカードのような顔写真付きの国土交通省から認証されたカードを所有し、毎日、建設業の現場で働く際にカードをタッチして記録を蓄積していくものです。

現在の登録者数は、約60万人とのことで、2割までいきました。マイナンバーカードと同様、普及のスピードは、国が当初計画していたように進んでいきません。

これがないと建設工事の現場に入ることもできない、というような強硬措置が発動されるよいう元請会社のウワサを聞いて、私のところにも、なんとか技能者のカードが発行されるようにできないかという相談がきます。10人前後の社員をかかえている事業者の方です。「そういう事態にはならないので大丈夫です」と心のなかでは思いつつ、スピーディに登録申請のお手伝いをしております。

ところで、google検索で、試しに、「混雑 建設キャリアアップシステム」と入力すると、なんと、私が4月に書いたブログが上位にあがってきました。うれしいことではありません。

この制度は、これまで数十年来の建設業の現場の課題を解決するために設けられたという背景があるためか、事業者が加入している処遇改善に関連する保険制度をすべて登録できたり、技能者個人が持っている様々な資格を登録できるようになっています。つまり、裏をかえせば、盛りだくさんな内容です。それを紙のエビデンスを写真に収めたものを逐一添付する必要があります。

このあたりが、電子申請やデジタル化の課題のように思います。入力はデジタル化できていても、たくさんの申請が常に満杯状態で、受け取ったものが真正な情報かどうか、ひとつひとつ手作業で確認している様子が目に浮かびます。申請して次のステップに進むのに、月単位で時間がかかります。

つまりバックヤードが全部「人手」です。AIがスピーディに判定するような仕組みになることを望みます。

(お散歩していて、ザクロの実をみつけました。実りの秋が近づいています)