外国との交流再開の道はまだ厳しい

新型コロナのワクチン接種がある程度進んでいるようです。政府は、外国との交流再開へ向けて「ワクチン接種証明書」の発行を検討しているという報道がありました。

証明書を持っていれば入国しやすくなるよう各国との交渉を加速するというものです。フランスやイタリアなど十数カ国を想定しているとのこと。

これは、勝手に宣言すれば制度ができあがるものとは違い、相手があるものです。接種を証明できれば入国制限を緩和する仕組みを導入している、あるいは導入する考えのある国に限定されます。目的はビジネス往来です。

EU全体としては、EU域内の国の間での往来に関して「デジタルCOVID証明書」というものを取り入れており、証明書を示せば、加盟国間同士で隔離や検査を免除する優遇措置が始まっています。

米国も国内で「ワクチンカード」と呼ばれる、国内旅行や事前検査なしでの出国や帰国後の自主隔離検査の免除する制度があるとのこと。

相手国と交渉して、国対国も同じような運用を相互にやっていこうというものです。

こういうものは、スマホに登録するのかと想定しておりましたが、日本はあくまで「書類」で対応するようです。ワクチンの種類や接種日時、パスポート番号、氏名や生年月日などが記載された英文表記の証明書になるとのこと。住民票がある市区町村が発行することになるとのことで、ご苦労なことです。

接種時に初めからこういう仕組みを作っておけば、後から追加の作業が発生しないのに、とは思いますが、まだまだ「デルタ株」が猛威を振るっている国もあるなかで、あえて、海外でビジネスを展開しなければならない人というのは少数でしょうから、個別に対応したほうが事務手続きはミニマムで片付くという考え方だと理解しました。

つまり、観光目的も含めて、外国と全面的な交流再開はまだ先のこととみなせるから、手作業で始められる制度なのですね。「デジタル」で片付ければよいものをと思いましたが。

(暑くなってきましたが、まだまだ頑張っている「アナベル」をみかけました)