免許の更新制度について

昨日のニュースのなかに「教員免許更新制を廃止へ 教員の負担重く、文科省が検討」という記事がありました。

一定期間が経過すれば、いろいろ講習などを通じて知識や経験を共有するために、更新という取り組みは良い制度だと思っておりましたが、

「免許更新制は、最新の知識や技術の習得による教員の能力の維持を目的に、2009年度に導入された。免許の有効期間を10年とし、期限前の2年のうちに大学などで教科指導や生徒指導などに関する30時間以上の講習を受けることを義務付ける。」という講習の内容が重すぎたのかと思います。

合計30時間も拘束されながら、教育の現場で役にたたないという感想が多かったと記事は伝えています。もっと短時間ならばよかったのか、あるいは、そもそも誇りを持って教育の現場に取り組んでいる先生方に「再教育」という制度そのものが受け入れ難いものだったのかもしれません。

教員免許とはかなり性格が異なりますが、経験をもとにひとつの事例を紹介します。

それは「監理技術者」の場合です。建設業において、発注者から直接工事を請け負い、そのうち3000万円以上を下請契約により工事を行う際は、監理技術者を現場に設置しなくてはなりません。この監理技術者になるには、1級施工管理技士の試験に合格し、所定の講習を受ける必要があります。監理技術者講習は、5年ごとに受講が必要な更新制が採用されています。

実際、私も5年前と10年前に、2回の更新講習を受けました。1時限が90分の講習を4コマ受講し、最後には試験によってチェックを受けるというものです。

1日間の講習ですが、最近の講習では、法改正のほか「ドローン」や「AI」を活用した土木工事の最新技術など、知っておいて損はない内容でした。また、拘束されるのが1日で済むというのも、ほどほどの長さという感想を持っています。

教員免許の更新制度は廃止の方向が決まったということですが、2009年から10数年の経験をもとに、何か新しい建設的な結果が残ることを期待したいものです。

(元気よく、夏の空へ向かってヒマワリの花が開いています)