技術がキーワードとは
新型コロナで疲弊した国内の経済を立て直すカギは、「デジタル」と「クリーンエネルギー」だということで、政府の予算もそのような方向に厚くつくものと思われます。
そんな記事を読んでいると、日本は技術立国だ、さらなる技術革新が必要というような主張が目につきます。
たしかに、過去は、トランジスタラジオやウォークマンなど、ほかでは簡単にマネのできない独自の製品を世に出したのは日本が誇れる技術革新だったものと思われます。
また、社名を出して恐縮ですが「マネした電器」さんなどは、他社の製品をわずかな期間でそっくりまねて、しかもオリジナルよりもデザインや性能の良いものを安価に製造するという、これも「技術」だと思います。
そのような時代から、だいぶ経過しました。家電売り場、特に、電気掃除機などは、ダイソンなどのすぐれた海外のメーカのものが幅をきかせています。それをまねたような日本の製品もありますが、やはり、本家の方が優れているようで、模倣品はパッとしません。
さらに、あちこちで見かける太陽光発電のパネルも最近のものはほとんどが中国製と聞きます。安いものを大量に供給し、世界市場を席捲するということ、これこそが「技術」だと思います。そういう点で、日本には勝てる「技術」があるのかどうか気になってしまいます。
大量に安くものを作れるワザ、なにも国宝級の「伝統工芸」が期待されているのではないと思います。「技術」や「技術革新」という言葉がよろしくないのかもしれません。ものづくりは中国でやるに限るというようなカルチャーをチェンジして国内のモノづくり産業が発展する道はあるのだろうかと気になっています。
(わざについてのイラスト、いらすとやさんからいただきました)