請求書や領収書がなくなるイメージとは
新型コロナの影響で、同窓会や音楽会のような集団で集まる行事がことごとく中止や縮小を迫られた1年でした。同様に、1対1の対面での打合せや商談でさえもはばかられ、webの会議やメールのやりとりで代替できないか模索しました。一部では、冷静に考えれば、数分で済むことなので、わざわざ、時間をかけて会いに行くこともないか、という類のものもあり、いろいろな「お作法」を見直すきっかけになっていることと思います。
「請求書、企業間で完全デジタル化」という新聞報道がありました。「企業間でやりとりする請求書の完全なデジタル化をめぐり、政府と会計ソフト会社など約70社は標準ルールとして国際規格を導入する。共通の仕様であればシステム上で自動的に請求書のやりとりが済ませられる。」というものです。政府が推進しているデジタル化の一環です。
これが進めば、紙の「請求書」は姿を消すことになるのでしょうか。大手の企業がそのシステムを導入することになれば、部品を納入するような下請けの中小企業も従来のような紙の請求書や納品書は受け付けてもらえず、電子化された伝票情報を送信できるようなシステムを導入する必要に迫られます。
企業間のやりとりや会社内の効率化とは別に、日本中の企業が同じ機能・性能を有するシステムを購入しなければならないという状況になるものと思われ、それだけでも、たいそうな経済効果が期待できます。
デジタル化とはそういうものなのかと、少し納得がいきました。これは民間向けの施策です。したがって、規格を提示することによって、それに準拠したシステムを提供する会社は1社ではなく、やはり、数社が競い合い、導入コストも下がることが期待できるのかと思われます。
並行して進む行政手続きのデジタル化についても、政府や地方の行政内部のシステムがばらばらで統一されていないという問題がたびたび指摘されています。民間の請求書や領収書がなくなる日と、行政手続きのデジタル化が進んでペーパーレスになるのと、どちらが先になるのか見ものです。
ちなみに、民間のほうは「2022年10月をめどにサービスを開始し、23年度中に日本全体での普及を目指す」ということです。
スーパーのレシートはどうなのか、スマホでもらうことになるのか、家計簿も変化していくのかもしれません。
(画像は公開されているスタジオジブリの「となりのトトロ」からいただきました。本文とは関係ありません)