ニュージーランドについて調べてみました

新型コロナウィルスの感染拡大が広がっており、GOTOキャンペーンの停止が発表されています。また、休業や時短要請に伴い、給付金が支給されるとの情報もあります。前回、同様の手続きをされた事業者の方は要領もご理解されていることと思いますが、お手伝いを必要とされる方がいらっしゃいましたら、どうぞ、ご連絡ください。

さて、新型コロナの感染を抑えたことで、ときどき、ニュースなどにとりあげられる「ニュージーランド」とはどういう国なのか、興味があって、少し調べてみました。

良く知られているように、北島と南島があり、人口5百万人のうち、大都市が多い北島に人口が集中しています。羊が多く飼われ、政策面では人種・性別・障害などへの差別撤廃に積極的で福祉の充実した観光立国であるというイメージから、一般には「安全な国」というイメージとなっています。

医療保険の財源には税金が充てられていて、この国には社会保険制度はないとされています。新型コロナへの対策として、「2020年3月14日、アーダーン首相は記者会見に臨み、新型コロナウイルス感染症の拡大を阻止するため、入国者全員に14日間の自主隔離を義務付けると表明した。なお、感染症の発生が見られない太平洋の小国からの入国は例外としている。この時点でニュージーランドで確認された患者は6人、死者は0人であった」ということです。

3月の段階で、わずか患者数が6人のときに、国外との関係を徹底して管理強化したことにより、感染者の増加を抑えることができたようです。思い切った政策が打てたものです。

少し、歴史をひもといてみます。英連邦に属する国ですが、「戦後のニュージーランドは、イギリスを主な貿易相手国とする農産物輸出国として発展し、世界に先駆け高福祉国家となる。しかし、1970年代にイギリスがECの一員としてヨーロッパ市場と結びつきが強まり、ニュージーランドは伝統的農産物市場を失い経済状況は悪化した。さらに、オイルショックが追い打ちをかけた。国民党政権は農業補助政策を維持する一方、鉱工業開発政策を開始するなど財政政策を行うもいずれも失敗し、財政状態はさらに悪化した。」EU内の農業政策の取り組みが、農業立国であるこの国にストレートに波及したことが伺えます。

少し長くなりますが引用を続けます。「1984年、労働党のデビッド・ロンギが政権を勝ち取ると、「国民の支持が得られなくともやるべきことは断行する」との固い決意のもと、政権主導の改革を押し進めた。ロンギ首相(当時)とダグラス財務大臣(当時)の改革は、ロジャーノミクスと呼ばれる経済改革につながる。主な事例としては、21の国営企業(電信電話、鉄道、航空、発電、国有林、金融など)を自国資本・外国資本を問わず民営化した。大学や国立研究所を法人化し実質無料であった学費を民間の大学と同様にした。各産業への保護と規制は撤廃され、外資のニュージーランド経済への資本参加を許可し、政府による許認可を極力なくし、官僚の数を半減した。規制撤廃、農業における補助金・優遇制度の撤廃、税制改革、競争原理の導入、行政部門の役割の見直しなど一連の改革は、一時的に倒産件数や失業率の悪化を招き、ロンギは首相を降ろされたが、結果として、ニュージーランド経済は成長軌道に乗り、福祉サービスも向上した。以降、これらの改革は労働党と国民党を問わず受け継がれ、現在のニュージーランドは極めて規制の少ない国となっている。」

なるほど、徹底した新型コロナ対策を実施できたことから、各種の政府による厳しい規制が行き届いている国かと勘違いしがちですが、そうではなく、この1980年代の行政改革によって、「各産業への保護と規制は撤廃され」、「政府による許認可を極力なくし、官僚の数を半減した」ということです。

それによって、福祉サービスが向上したというあたり、国情や産業構成が異なりますので、そのまま日本に当てはめることはできないものの、「許認可をなくし官僚の数が少ないほうが福祉が向上する」という事例があるという結論だけ覚えておきたいと思いました。

(文中の引用は、主に、wikipediaからです。画像は公開されているスタジオジブリの「思い出のマーニー」からいただきました。本文とは関係ありません)