「聞かれてこそ音楽」に共感しました!
著作権は知的財産権のひとつですが、文化庁の管轄であり、行政書士が関われる分野です。著作権といえば、それを管理する団体として「JASRAC」があります。いや、JASRACしかないものと思っておりました。
著作権に関連して「東洋経済」に、8月24日付で、興味深い記事が載っておりました。
「『聞かれてこそ音楽』、だからJASRACに対抗する」という記事です。
この記事によれば、「1939年からJASRACは唯一認可された団体として著作権管理事業を行ってきた。それが2001年に著作権等管理事業法が施行され、民間にも門戸が開かれると、28社が参入した。JASRACの独占体制に不満があったからだ。しかし、著作権管理事業は低収益ということもあり、現在までにほとんどの会社が撤退してしまった。」という経緯があったとのことです。
この記事が着目しているのは、音楽著作権管理事業を展開する、NexTone(ネクストーン)という会社です。
「日本市場で95%のシェアを握るJASRAC(日本音楽著作権協会)の対抗軸となって、競争をもたらすべく、2016年にエイベックスの持ち分法適用会社であるイーライセンスとジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)が合併して発足。Official髭男dism、あいみょん、米津玄師、松任谷由実、矢沢永吉など、有名アーティストの一部楽曲を預かる。」ということです。そのほかには、L’Arc~en~Ciel やスピッツ、布袋寅泰など。松任谷由実、矢沢永吉あたりは、私もわかります。
一言で言えば、2位以下の複数の会社が「JASRAC」に対抗するために、2016年に合併してできた会社であり、その趣旨に賛同して、有名アーティストの方々が曲の管理をこの会社に預けているということのようです。
音楽が聴かれるシーンは、ネット上やCDだけではなく、コンサートなど様々です。特に、この会社は、「楽曲のプロモーションに関して、使用料を徴収しない方針。これに賛同し、エイベックスは、浜崎あゆみなどの楽曲をJASRACから移している」とのことです。
さらに、ライブでの演奏やカラオケ、店内放送、映画館での上映など、いろいろなケースがあり、なんといっても歴史がありシェアが大きい「JASRAC」の影響力は絶大なようですが、記事によれば、
「「使えば必ず取る」という徴収の姿勢ばかりでは、街中から音楽がなくなってしまう。たとえば、『ジングルベル』や『きよしこの夜』といったクリスマスソングは権利の切れた楽曲も多いが、「使うとお金をとられてしまうのではないか」と萎縮し、流れなくなっている現実がある。フィギュアスケートなどの競技でも、「権利が生きている楽曲は面倒だからクラシックに限定しよう」といった動きもあるようだ。音楽がもっと流通するようにしていきたい。」というのが、この会社の方針と理解しました。
作曲者の権利を守るということは大事な点ですが、YouTubeやFacebookでの個人の演奏にまで、いちいち料金を課せられたらたまったものではありません。今は少数ですが、このような動きを応援したくなりました。
(写真は、r********************さんによる「写真AC」からいただきました)