スーパーシティ法案とは

新型コロナの緊急事態宣言が解除されても「ステイ・ホーム」の延長の「新しい生活様式」でインターネットを使うケースが増えています。

SNS上をめぐる誹謗中傷の発信者を特定することや制限を加える方向の検討が『プロバイダ責任制限法』を軸に行われています。それが「ネガティブ」な面とすると、「ポジティブ」な面をさらに伸ばしていくものとして「スーパーシティ法案」が今国会でも審議されています。少し、その内容をみていきます。

この法案自体は新しいものではなく、いろいろな経緯があり、国会で審議されるのは3度目だそうです。また新しい言葉ですが「スーパーシティ」とは何なのかといえば、内閣府が20年3月に公表した構想案によると、
◆移動、物流、支払い、行政、医療・介護、教育、エネルギー・水、環境・ゴミ、防犯、防災・安全の10領域のうち少なくとも5領域以上をカバーし、生活全般にまたがること

◆2030年頃に実現される未来社会での生活を加速実現すること

◆住民が参画し、住民目線でより良い未来社会の実現がなされるようネットワークを最大限に利用すること

という3要素を満たす都市と定義されています。

たくさんのことが盛り込まれていますが、ITなどの技術の活用を技術者や企業目線ではなく、住民目線でよりよい未来を目指す点で、従来の街づくりとは一線を画する内容にしていく、少子高齢化や過疎、空き家問題といった地域が抱える諸課題を、日本の最先端技術と大胆な規制改革を総動員して解決しようという試みだそうです。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/kettei/pdf/r20204_sankou.pdf

盛りだくさんな内容ですが、「社会的課題の解決を図る生活実装実験」ということなので、どこか特定の地域を「特区」に指定して、未来社会につながる技術や社会制度を確かめてみるということのようです。

行政手続のワンスオンリー化(一度提出した資料は、再提出する必要がない仕組み)、遠隔教育や遠隔医療なども含まれているそうなので、ぜひ、そのような先進的な仕組みを全国津々浦々に浸透させるための課題を見出していただきたいものです。

(写真は、fujiwaraさんによる「写真AC」からいただきました)