特定行政書士の役割としてスタートにあたり自覚したいこと
ある先輩の先生から、行政書士は政治問題に触れてはいけない、官庁と争ってはいけないという趣旨のご指摘をいただきました。
たしかに、行政書士法から抜粋すれば、行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とするものであり、特に、官公署に提出する手続及び許認可等を代理するものです。
許認可申請は認可をいただいてこそ業務の価値があるので、いちいち、窓口で争うことが目的ではありません。
ただ、どうしても官公署の決定が腑に落ちない、依頼者が納得しないという場面もあるものと思います。そのような件で、
「行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること」--このようなことを扱うことができるのが特定行政書士とされています。
所定の講習を受け、試験に合格すると特定行政書士として日本行政書士会の名簿に登録され、新たなカードが交付されます。
その登録までは昨年11月に完了していたのですが、カード発行の手続きが遅れた関係で、つい先日、新しいカードが届いたものです。パソコンの画像では分かりづらいですが、「透かし」に相当する文字斜めに入っていて、ゴールド色に見えます。人相がいまいちなのが残念なところです。
ともかく、令和2年1月1日発行ということも幸先の良いカードだととらえております。
さて、冒頭の話に戻りますが、特定行政書士になったからといって、逐一、手続きにクレームをつけることが役割ではないことは、十分に承知しています。
ただ、例えば、「入管業務」がその典型ですが、担当官の裁量の幅が大きいと言われています。同じ申請でもうまく通せる場合とそうならないケースがあったりすると聞いています。行政書士の力量や経験の差にもよるものと思います。
こういうことをとらえて、ホームページなどで「私は難題もうまく通せますよ」という自己主張するのではなく、うまく通せる文章表現や添付書類などのコツがあるのであれば、それを独り占めしないで同業者にオープンにしてほしいものだと思います。申請書の質が向上することがある種のプレッシャーになり、結果として、入管ご担当の透明性のある決定に資することができるのではないかと切に思います。
特定行政書士としての特別な出番があったとしても、そのようにお役に立ちたいと思う次第です。