デジタル化のなかでお役所もたいへんなのかも

景気刺激対策なのか、世界に乗り遅れまいという趣旨なのか、デジタル化の波がやってきています。それに対応しなければならないお役所もたいへんです。

新型コロナ対応でなにかと注目されるのが厚生労働省です。最近も「厚生労働省のデジタル化はなぜ駄目なのか?」という記事を目にしました。一連の厚労省が行っているデジタル化に関係する対策の不具合が指摘されています。

1.コロナ感染情報の収集にファクスが使われていたものを新システムに切り替えたこと。

このシステムの名称は「HER-SYS(ハーシス)」というものです。女性看護師の温かいケアの「彼女」から来たネーミングかと思っておりましたら違っていました。

Health Center Real-time Ingormation-sharing System on COVID-19

の略だそうです。

このシステム、迅速に新規感染者の情報を集約するために作られたものですが、なかなか、医療機関が使ってくれないという問題がありました。そのわけは、入力すべき項目が1人あたり120もあるなど、使い勝手の悪いシステムだということです。その後、かなり改善されたようですが。

2.接触確認アプリCOCOAの不具合

スマートフォンにこのアプリを置いておくと、陽性者と濃厚接触した場合に知らせてくれるという便利なものです。

しかし、このアプリにはいろいろな不具合があることが報告されています。まず、利用開始した初日からトラブルが起きたました。事前に十分にテストをするはずですので、通常ではありえない、あってはならないことです。さらに、COCOAの利用者のうち3割にあたる772万人のAndroid版利用者について、陽性者と濃厚接触した場合でも「接触なし」と表示されていたという問題がありました。さらに、その不具合が4ヵ月間放置されていたことが、2021年2月3日になって明らかになりました。昨年6月に利用が開始されたので、不具合が放置されていた報道自体も数か月も前の出来事でした。

3.マイナンバーカードは、2021年3月から保険証として利用できるようになる

これは、最近のできごとです。土壇場になって、10月頃まで延期となりました。保険資格の情報が「登録されていない」と表示されたり、保険証に記載された情報と一致しないなどのトラブルが相次いだためであり、原因はな健康保険組合に加入している人の膨大な数のデータを手入力する際に間違った番号が入力されている事象が多いということとされています。

元の記事は、「なぜダメなのか」というタイトルでしたが、そこのところは良くわかりませんでしたが、現実に起きた不具合はよくまとまっている記事でした。

さて、「なぜダメなのか」という点をお役所もよく検証されていると期待したいところです。厚労省の事例は、身近なケースなので、不具合が日常生活に直結しますので、記事になりやすいということかと思います。デジタル庁ができると、すべての省庁の業務が同様のデジタルな仕組みに切り替わるのでしょうから、たぶん、同じような不具合に直面することと思います。二重にチェックするなどの人海戦術に頼るしか方法がないのかもしれませんが、ここ当面のもたつきを冷静にみたいと思います。

(集団あいてのお役所はたいへんです。散歩でみかけた集団で咲いているお花です)