企業の後継者不在問題

やはり、と申しますか、首都圏、1都3県の緊急事態宣言が延長されました。2週間ということですが、その期間に事態が改善されることを祈ります。

こうこういうことになると、経営が苦しくなり、やっていけない事業者が増えるのではないかと気になります。あるいは、これを機会に飲食業で「テイクアウト」専門に切り替えたり、経営革新できるかどうかということも大事になってくるように思います。

その関連でデータをみておりましたら、少し観点が異なりますが、「数字で見る 企業の事業革新とM&A」という記事にあたりました。今回は、少し明るい方向性にもつながる、事業継承についてみていきたいと思います。

経済活動が停滞すると、事業承継系M&Aも停滞するものです。昨年は、新型コロナの影響により4〜5月に大きく減少しています。ただし、後半では持ち直し、件数としては、コロナ前の一昨年とほぼ同数になっているとのことです。図表にも著作権があり、コピペできないのが残念です。

一方、気になるのは、後継者問題です。「2020年度の「後継者難」倒産は、20年4月〜21年1月までの10カ月間で289件に達し、調査を開始した2013年度以降で年度最多の2019年度を超えることがほぼ確実になっている。」ということです。

戦後の高度経済成長の1970年代に起業した会社の社長が引退する時期になっていますが、資格の問題や適切に事業を運営する後継者が見当たらず倒産に追い込まれるということが、コロナ影響とは別に進行しているのでしょうか。

業種別に調べた記事もありました。産業別で後継者不在率が最も高かったのは「情報通信業」の75.69%となっています。「農・林・漁業・鉱業」の後継者不在の割合が、なんと、49%なのに対して、たいへん高い数字です。

たぶん、古くから後継者問題に苦しんできた「農・林・漁業・鉱業」にとって、それは、長く続く、問題のピークが過ぎた課題なのかと思います。一方で、情報通信業はソフトウェア開発などIT関連業種が含まれ、業歴が浅い企業が多く代表者の年齢も比較的若いという傾向があると思われますので、したがって、後継者問題は現実に差し迫った問題になっているようです。数字から、ちょっと意外な断面を知ることができました。

(社長のイラスト、いらすとやさんからいただきました)