総合的な「空き家」対策とは

少子高齢化が進み、都会でも地方でも「空き家」が増えていると報道されています。最後に住んでいた人が亡くなったあと、相続した人が住まないまま、年数が経つと手が付けられないほど荒れていき、屋根や壁の一部が風で飛ばされたり、周囲に影響を及ぼすことも懸念されています。

そんな世相を反映し、11月26日(土)の日経新聞に「高齢者、家借りやすく 遺品処理など孤独死リスク対応」という記事が掲載されていました。

まず、統計的なデータです。「高齢者の持ち家率は全体的には高いが、単身世帯に限ると、賃貸住宅などに暮らす割合は約3割にのぼる。総数は2018年時点で200万世帯を超える。」なるほど。高齢の夫婦2人で生活していたものの、配偶者に先立たれたあと、単身で賃貸住宅に転居する人が増えている状況も理解できます。それに焦点を当てた各種のサービスです。

例えば「入居後の見守りサービス」です。お子さんがいても遠方で生活していると、一人暮らしの親の面倒をこまめにみることができないことに対応するものです。さらに、「高齢の入居者が亡くなったとき、部屋に残された持ち物処理の事務作業を引き受ける」これもいいところに目を付けたと思います。高齢・単身で賃貸住居に入居する際に、かなりプライバシーの領域かと思いますが、その先についてのご要望をあらかじめ伺っておけば、暮らすほうも安心です。

また、記事には、別の視点ですが、「単身の高齢入居者が亡くなったときの賃貸借契約の解除などを円滑にする契約のひな型を、国土交通省が今年6月に公表するなど、国も流通促進に動き出した。入居者の死後、契約を解除できる代理権を持つ第三者『受任者』を入居時に定めるのが柱だ。受任者には部屋に残った持ち物の処理を任せることもできる。」という情報もありました。

このなかの「死後、契約を解除できる代理権を持つ第三者『受任者』を入居時に定める」という点が重要です。このような要望をオープンにあらかじめ把握しておくことによって、冒頭に書きました「空き家」問題が少しでも緩和されることを願っております。

(近所の桜です。いい色になってきました。)