「外国人就労無期限に」とは

行政書士の業務のなかに、「申請取次」というものがあります。

行政書士は「書類の作成の代理」は出来ても、「在留資格の申請手続の代理」は出来ないというのが原則です。代理の申請は、配偶者などの一定の範囲の親族にしか認められておりません。これを「法定代理」といいます。それに対して「任意代理」というものがあります。委任契約に基づく代理のことですが、入管関係は本人が「出頭」して行うのが原則なので、「任意代理」は認められておりません。

それが原則ですが、日本人にとってもお役所向けの書類作成はめんどうです。まして、日本語や日本の習慣に精通していない外国人にとって、一人で書類を作成し、入管当局に出頭するということはたいへんな困難を伴います。

そこで、平成元年から「申請取次行政書士」という制度が設けられました。法務大臣が認定する講習と効果測定を修了した行政書士で、所属する都道府県行政書士会を経由して入国管理局に届出を行った者に「申請取次行政書士」という資格を付与し、その者が本人又は親族からの依頼を受けて在留資格の申請を行うときは、原則として本人の出頭を免除する、という制度です。

少子高齢化がかなりの勢いで進行しているこの日本ですから、いずれ就労目的の外国人が大挙して日本にくる、よしあしは別にして様々な産業がそれを求めている、そんな気がしましたので、私もその「申請取次行政書士」として登録済です。

その観点で、「特定技能」という新たな資格もできました。2019年4月1日より人手不足が深刻な14の産業分野に限定して、以下の項目をすべて満たすことが条件で、上限5年間という制約付きながら、はっきりと就労目的で入国する資格が認められています。
①外国人と結ぶ雇用契約が適切であること(例:報酬額が日本人と同等以上)
②受入れ機関自体が適切であること(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
③外国人を支援する体制があること
④外国人を支援する計画が適切であること

それが、昨日の新聞では、上限5年間という制約を取り除き、無期限に日本で就労することを認める方向で制度を改正しようという検討が政府で行われているというものでした。

背景には、新型コロナの影響で、期間が終了しても帰国できないことや、新たに日本に来たくても入国できないということがあるようです。

事実関係はそうなのかもしれませんが、長い議論の結果、「上限5年」と3年前に決まったことを、簡単に「無期限」としていいのか、今後、ヨーロッパなどで起きているような社会問題が日本でも起こらないのか、気になるところです。

(本文とは関係ありません。ここから見える日の出の景色です。工場地帯から勢いよく日がのぼっていきます)