デジタルガバメントによって変わること

新型コロナの関係で、国民全員を対象に一人10万円の「定額給付金」の支給が行われたのは昨年度です。その際、マイナンバーカードを持っている人は比較的スムーズに支給を受けることができましたが、地方自治体によっては膨大な手作業に追われ、我が国の行政手続きのデジタル化の遅れがクローズアップされました。

本年度はデジタル庁も設立され、「規制改革実施計画」として、内閣府が音頭をとって、強力に様々な施策が展開される見通しです。少し、その内容をみていきたいと思います。

「規制改革実施計画」は、令和3年6月18日に閣議決定されたものとして公表されています。

・デジタルガバメントの推進
・デジタル時代に向けた規制の見直し
・その他横断的課題

など、いくつかの項目から構成されていますが、本日は最初の項目「デジタルガバメントの推進」について書きます。内容は以下の4項目です。

①行政手続の書面・押印・対面の見直し
②オンライン利用の促進
③キャッシュレス化の推進
④地方税等の収納の効率化・電子化

最も関心があるのは、①の項目です。

◆押印を求める行政手続のうち、令和3年3月末までに法令改正等が行われていない
305種類について、速やかに押印の見直しを実施し、99%超の手続の押印義務を廃止
する。 【速やかに措置】
◆書面の提出等を求める行政手続について、オンライン化未実施の18,612種類のうち、
18,180種類は令和7年までにオンライン化する。 【可能なものから順次措置】
◆性質上オンライン化が適当でないとされる432種類のうち、少なくとも年間の手続件
数が1万件以上の手続については、最新のデジタル技術や補完的手段の活用等による
オンライン化を含む利用者負担の軽減策について、引き続き検討する。
【速やかに検討を開始し、可能なものから順次措置】

最初の項目は、行政手続きの押印廃止に関するものです。「99%超の手続の押印義務を廃止」を速やかに措置するとしています。これは、軌道に乗って進められるものと思います。

2番目のものは「行政手続のオンライン化」です。書面の提出を求める行政手続きうち、オンライン化が未実施のものが18,612種類もあること、これを順次オンライン化に移行させる、ただし令和7年までかかるということです簡単には進まないのはどういう点なのか、別途、調べてみたいと思います。

利用者の負担軽減に向かうということが大事で、印鑑はなくしたけれど、「直筆のサインがなければ受け取らない」というような類のものは趣旨に反すると考えるべきですが、役所の末端までそういう思考になることを願っています。

(最近、よく見かけるようになった青や白の花、アガパンサスというものだそうで、夏の日差しにも凛として立っているのが爽やかな印象です)