行政手続きの98%がオンライン化される
6月1日付の新聞報道によると「2万2千ほどある行政手続きの98%超を2025年までにオンライン化する目標を掲げる」ということです。パスポートの申請などもそれに含まれるとされています。
ただし、いずれも「窓口の手続き」についての報道です。また、気になるのは、「オンラインで申請できるようにする」というような表現です。これは、紙の申請書も受け付けるが、オンライン化もできるようにするという意味合いにとれます。
実際、そういうふうに始まるものと思われます。「今日から先は紙の申請は一切受け付けない」というような強権発動はせず、ちょっと使いにくい「オンライン申請ツール」がスタートするものと思われます。これでは、お役所の業務が紙申請に対応する人と、オンライン申請されたものを処理する人とダブルで必要になり、かえって業務が増えるのではないかと心配です。
一方、積極的に対面手続きを残すものも議論されています。「年間6百万件の申請がある失業給付」などがそうです。「再就職をめざす活動の有無を認定条件としており、実際に会わないと確認は難しい」という理由のようですが、はたしてそうなのか。裁量の余地があるものは対面でという趣旨なのかもしれません。そのような分野も数値化、デジタル化できるような気がしますが。
「交通反則金など年間1万件以上の支払件数がある手続きに関し、インターネットバンキングや窓口でのキャッシュレス払いへの対応」--これは便利になってありがたいことです。便利になったからといって交通違反が増えないだろうと思います。
「天気や曜日などによって料金を変動させる『ダイナミックプライシング』のタクシーへの導入も検討する」--これはどうなんでしょう。タクシーがつかまりにくい雨の日などは料金を上げるというような変動制になるということです。デジタル化されればいろいろな固定された仕組みを変化させることができるという事例かと思いますが、あまり歓迎できません。
ともかく、生活のシーンのいろいろなものが今年から変化していくものと思われます。
(お散歩中にあちこちで「ビワ」の実が黄色く色づいているのを見かけます)