ミスの原因
三寒四温なのか、気温が緩んだり急に寒くなったりするのがこの季節です。
行政手続きのデジタル化にとって、どうしても触れざるを得ないのがマイナンバーカードです。この件についての報道は連日のように行われています。日経新聞を例にとると、
4月2日「マイナンバーカード申請、半年で1.5倍に急増、ポイント還元が奏功」これは、ポイント還元が功を奏して、カード申請が急増して、今や国民の28%がこのカードを所有しているという前向きな記事です。
一方、4月6日「健康保険証 『誤り3万件』が映すマイナンバーの不思議」今度は、健康保検証の機能をマイナンバーカードに統合する件が入力ミスの影響で延期になったことの原因を深掘りした記事です。
実は、国民は無関心ではなく、この動向に注目しているということが背景にあると信じましょう。
私も以前から、気になっていたのですが、「入力ミス3万件」などの結果を大きな数字で報道されることがよくありますが、それは、どういうタイミングでミスが起きたのか。コンピュータが自動的に行を読み間違えたりした結果、ずるずると、またたく間に数万件のズレを生じたのか、あるいは、いくつか、ご入力する機会があって防止するのが難しいのか、真相はどういうことなのだろうと、気になっておりました。
この記事で少しわかりました。原因はコンピューターによる自動読み取りの誤作動や、データ連携の際に誤ったデータベースとリンクを貼ったというようなことではなく、手書きされた12桁の番号を手入力する際のミスだというものです。
記事によれば「自治体が運営する市町村国保や公務員が入る共済組合の他に民間企業が母体の組合健保や協会けんぽなど計3000以上が存在する」とのこと。それぞれが申請者が手書きした12桁の番号を手入力します。申請者が誤記することもあり得ますし、読みにくい数字を入力者が判断して打ち込む際に間違った数字に置き換えられるということも起こりえます。1か所で10件のミスが起きると、すぐに、3万件という規模になるのもうなづけます。
さらに記事には書かれておりませんが、そのような「単純作業」を中国の企業などに委託しているのではないか。それが情報漏洩などで問題になる場面なのではないかという気がします。
つまるところ、カード表面に印字されている番号であり、さらには、磁気的に読み取ればミスも起こらないものを、従来通りの紙の申請書に手書きで書かせるところに問題があるような気がします。
デジタル化という新しい文化に対応するには、入力方法も、紙による申請から、カード自動読み取り機などによる新しい手法に置き換えるべきところ、それが間に合っていないという単純な理由なのかと納得した次第です。
新聞は細かい不具合を伝えてくれるのはありがたいものの、その都度、政府がやっていることはケシカラン、まだ、カードは信用できない、と普及にブレーキをかける結果になってしまうとすれば、たいへん残念なことだと思います。
季節は徐々に進み、愛犬とのお散歩の途中でフジの花が咲いているのを見つけました。