外国人の出入国停止について思う

困難な状況下で、増大する新型コロナウィルス感染者の看護に取り組んでおられる医療従事者の方々に敬意を表します。

昨日の政府の発表で緊急事態の対象が1都3県からさらに7府県追加になりました。(大坂、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木)

これらの地域から全国への拡散を防止するという狙いと逼迫しつつある病床数の問題があってやむを得ない措置だと思います。今後、さらに全国一律という昨年の4月のような事態になるのかどうか気になるところです。

一方、これと同時に、海外ビジネス往来の停止となることが発表されました。詳細は出入国在留管理庁あるいは外務省のホームページに掲載されています。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/cp/page25_002004.html

これまでも新聞報道では諸外国からの新規入国禁止がうたわれていながら、規制の緩和を進めてきた、シンガポール、韓国、ベトナム、中国など11か国からのビジネス往来に関しては14日間の自宅待機期間を設けていても業務上の範囲ならば外出可能などの緩い規制でしたが、それら一切を停止するということになったようです。

ここに至る経緯に関して、12日付の報道では、政府は11か国の緩和を継続する意向だったことに対して、自民党の外交部会が緩和措置自体も止めるべきだと主張したとされています。

このような議論は感染症拡大防止の科学的な根拠によるものというよりは、「緊急事態宣言で国民が我慢しているのになぜ外国人を入れるのか」などの国民の世論が納得しないという趣旨だとされています。

「7府県追加」も「海外ビジネス往来停止」も政治判断だということを認識しておきましょう。もちろん、何も措置を施さないよりは拡大防止に寄与するものと思われますが、この措置をとれば感染拡大が収まるはずという裏付けのあるものではないということです。

科学的根拠に基づいて初期の対策を打ったことが効を奏したとされたドイツのメルケル首相の施策も、その後、思惑がはずれたのか、毎日2万人の新規感染者が出ているようです。どう対処すればゴールにたどり着くことができるのか見えないのがやっかいです。

ここは、ひとつ医療従事者のご苦労に思いをはせ、おとなしく自粛しているほかないように思います。

(公開されているスタジオジブリの「魔女の宅急便」からイラストをいただきました。本文とは関係ありません)