当面の状況について考えてみる
新型コロナの感染拡大防止の観点で、首都圏1都3県に緊急事態宣言が出されて数日が経過しました。2度目ということと、前回と比較して規制が緩い印象で、閉塞感が少ない印象を持っていますが、皆さんはいかがでしょうか。
また、首都圏はそのように「緊急事態」と定義されたものの、一方で感染拡大が進んでいる関西の大坂、京都、兵庫が同じように国に緊急事態の発出を要請しても、すんなりとそうはならないことも気になります。
本日付けの京都新聞によれば、京都府知事が、
「オンラインで開催された全国知事会の新型コロナウイルス対策本部会議で、休業や営業時間短縮の要請に応じない事業者への罰則規定が盛り込まれる見通しの新型コロナ特別措置法の改正案について『速やかな成立を強く要請してほしい』と訴えた。」と報道されています。
ただ、首都圏と同様、開店時間を20時までに繰り上げる飲食店に協力金を支給するための措置ということに集約され、その金銭の取り扱いを国に委ねたいという攻防のようです。
あくまで単なる感想に過ぎませんが、「措置命令を出す/出さない」ということは、厚生労働省的な見地から、医療体制を緊急にどうやって強化するかとか、PCR検査を格段に増やすべきかどうかなどの判断軸ではなく、あくまで、政治経済上の判断で決定されるものと理解しています。
そのような政治経済の見地から判断が下されることがケシカランと主張したいのではなく、下される政策判断というのはそういうものだと正面からとらえて、後日、事態が終息した時点で、現下の政策判断が妥当だったのかどうか振り返ってみるということになろうということです。
ですので、緊急事態宣言が出された前後の東京の繁華街の人出が多いか少ないか前回との比較だとか、20時閉店の居酒屋の苦情のようなことがどのテレビチャンネルのニュース番組からも流れていますが、そういうことを知らされても、「だからテレビ局は何を言いたいのか」というのがピンときません。
一方で、医療の現場は本当の意味で日々拡大する感染者の対応や重篤な人を看護する病床数や施設の不足と格闘されていることと思います。
それになにか応じたいと考えても、できることは、手洗いやうがい、三密をさけて感染拡大防止に努めるというなのでしょうね。
ともかく、海外のように、道路上に警官が立ち並び厳戒態勢のように夜間外出が取り締まられるのでもなく、許可なく長距離移動が制限されるわけでもなく、あくまで自主的な「自粛」に委ねられているというこの日本流のゆるい「緊急事態」は、ありがたいものだととらえて、なんとか乗り切りたいものだと思います。
閉塞感がない、この緊急事態を歓迎したい者です。
(公開されているスタジオジブリの「ゲド戦記」から画像をいただきました。本文とは関係ありません)