すべての人に祝福がおとずれますように

メリークリスマス!
コロナ影響下で例年とは違う過ごし方をされている方は多いかと思いますが、ともかく、クリスマスです。

そんな日に、新聞に小さな記事ですが、大阪で無戸籍の女性が餓死したという記事を読みました。最初、見出しを「無国籍」と読んでしまい、ははあ、難民問題なのかと早合点してしまいましたが、「無戸籍」でした。

この戸籍制度が整備されているはずの日本にどうして「無戸籍」の人が生まれるのか不思議に思い調べましたら、日本には推定で1万人以上の「無戸籍」の人がいるということがわかりました。井戸まさえさんという方が本を出しておられます。元衆議院議員で「民法772条による無戸籍児家族の会」代表なんだそうで。

民法の772条は、再婚禁止期間を規定したものですね。数年前に、女性の再婚禁止期間を離婚後6カ月間と規定していた民法733条を100日に短縮し、離婚時に妊娠していないことなどを証明できれば禁止期間内でも再婚を認めるとする改正がなされています。

「民法772条では、出産時期が結婚から200日を過ぎれば現在の夫の子、離婚後300日以内は前夫の子と推定するとしている。再婚禁止期間はこの嫡出推定が重ならないよう設けられているが、100日あれば重複が避けられると指摘されてきた。最高裁は昨年12月、再婚禁止期間のうち100日を超える部分を、『合理性を欠いた過剰な制約で違憲』と判断した。」と、2016年の記事に書かれています。

それでずいぶん救われる人が出てきたものと思います。ただ、それでも解決しない、いろいろなケースがあることがわかりました。

法律でいう「離婚」、「再婚」とは、あくまでその手続きが成立した時点を指します。例えば、離婚調停が非常に長引き、別居してから離婚が成立するまでにかなり時間がかかるような場合や、前夫がDVで逃げていて協議も行うことができない場合など、「離婚」が正式に届けられないケースもあるようです。

「子どもが無戸籍になるのは、妻の不倫の結果だろうから仕方がない」と一概に片づけられない問題なのだと理解しました。そもそも、生まれた子供に罪はないのですから。

「最近でこそ、無戸籍であっても住民票が取れることも増えたため、教育や医療にアクセスできるようになってきましたが、それでもまだ、仕事に就くことは難しい状況です。彼らは当然、『マイナンバー』も手に入らないので、その施行によって、より生きづらい状況も新たに生まれています。」とのこと。行政のデジタル化のなかで置き去りにされてしまいそうです。

いろいろなクリスマスの過ごし方があろうかと思いますが、すべての人に祝福がおとずれますことをお祈りいたします。

(公開されているスタジオジブリの「コクリコ坂から」の画像をいただきました。本文とは関係ありません)