様々な立場における苦労とは

昨日の新聞の1面に大きな見出しで「全世界から新規入国停止 あすから1月末」と報道されておりました。新型コロナウィルスの変異種が英国や南アフリカでみつかったこと、それが従来型の1.7倍も強い感染力を持っているということなので、水際対策をしっかり行う措置だと理解しました。政府も「オン・オフ」を使い分けて、厳しくやるときにはやるのだなと感心した次第です。

ところが、その後、入管関係に詳しい行政書士の先生からのご連絡によれば、確かに、10月から段階的に外国人に対して入国時の規制は緩和されてきたことを今回、厳しくすることには違いはないものの、「変異種が広がる英国と南アフリカからの新規入国はすでに止めており、その対象をすべての国・地域に広げる。」とは言いつつ、「2国間で合意したビジネス往来の枠組みに基づく外国人(11か国・地域)の入国は対象外」だというのです。シンガポールや韓国、ベトナムなど2国間の合意に基づく「感染状況が落ち着いている国」からの上陸に関しては、14日間の待機などの条件付きながら秋以降緩和されてきた措置が継続となるということでした。

http://www.moj.go.jp/isa/content/930006067.pdf

そういうものなのかと、ちょっと、拍子抜けしました。確かに、昨日の新聞記事をよく読み返すと、見出しで言っている「全世界」「禁止」ということと裏腹に、対象外があることが書かれています。該当する国の方々の入管業務に携わっている人にとっては、年末年始にご家族が行き来できるのか、たいへん悩ましい問題なのだと理解しました。

今回も、「特段の事情」として、以下の4つのケースに関しては上陸が許可されるとのことです。

http://www.moj.go.jp/isa/content/930006078.pdf

①再入国許可をもって再入国する外国人

②新規入国する外国人であって,以下のいずれかに該当する者
(日本人・永住者の配偶者又は子、「教育」又は「教授」の在留資格を取得する者、「医療」の在留資格を取得する者などです)

③「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置」に沿って上陸申請する外国人
(ベトナムからの技能実習生などが該当します)

④特に人道上配慮すべき事情があるときなど,個別の事情に応じて特段の事情が認められるもの

最後の項目は、個別、具体的に審査されるものです。

ともかく、「1月末まで鎖国状態」なのかといえば、そうでもないようで、これで大丈夫なのかと気がかりな人もおられることと思いますが、とりあえず、施策の中身をよく知っておくことが重要だと感じました。

(画像は「写真AC」のとちぎさんからいただきました)