ハンコ文化のルーツ
横浜関内にあります「ユーラシア文化館」に行ってきました。そこに展示されているあるものを見たいと思ったからです。
日経新聞に連載された記事「ハンコ文化を問う(上)」の冒頭は、こういう文章で始まっていました。
「ハンコの歴史は古い。「ハンコの文化史」(新関欽哉著、吉川弘文館)によるとハンコの原型といえる円筒印章を発明したのは、世界四大文明の一つであるメソポタミア文明の最初の担い手、シュメール人だった。紀元前3300年ごろの陶片に円筒印章によるなつ印の跡があり、彼らが人類で最初に発明したとされるくさび形文字よりも古いとの説もある。」
そのメソポタミア文明のシュメール人が作った「印鑑」が展示されています。動物の角か骨で作ったものです。たしかに、なにか模様、マークのようなものが彫られています。
紀元前3300+今日2020年、合計で、5320年続いた文化が大きな節目を迎えようとしています。こういう機会がなければ見過ごすところでした。
印鑑はこれから先、そのような「歴史上の遺物」になってしまうのか。
「平井卓也デジタル改革担当相は12月21日の会見で、2021年9月のデジタル庁(仮称)発足に向け、外部のIT人材約30人を非常勤の国家公務員として募集すると発表した。同年1月4日に募集を始め、選考を経て4月に正式採用する。デジタル庁としての人材募集は初という。」
「印鑑廃止」はわかりやすい掛け声だったとして、この後に続く、行政手続きのデジタル化は、かなり抜本的な改革を推し進めようとしていることが伺えます。
高度なものを目指すことよりも、市民の側にとって簡素で簡便なものになることを願っています。
(公開されているスタジオジブリの「On Your Mark」から画像をいただきました。本文とは関係ありません)