コロナ影響で退学した大学生の記事から

新型コロナの影響で、休業や営業時間短縮をしている飲食店などが多数あり、これまでアルバイト生として働きながら学業を続けていた学生が続けられなくなり、大学を退学する人が大量に出るのではないかと、緊急事態宣言が出された、5月、6月の頃、ニュースになっていました。

先週の新聞で小さな記事でしたが、文部科学省の調査の結果、コロナ影響で中退した大学生は1033人だったと伝えています。やはり、予測のとおり、影響はあったようです。

ただ、記事を読み進んでいくと、その他の理由もあわせて、中退した学生は、2万5千人であり、昨年よりも約7千人も減っているということです。去年は3万2千人も中退した人がいた勘定になります。また、今年、コロナ影響で中退した人は、全体の4%です。私は意外と少ない印象を持ちましたが、新聞報道はそのことについて触れていません。

こんなに、ほぼ1年中、コロナ影響が問題とされ、飲食店を中心に休業や時間短縮が行われているのに、大学生の中退者が逆に昨年よりも約7千人減少しているのは、どうしてなのか。

ここからは、私の推測になりますが、いつもの年であれば、大学に入学したものの、勉学にそれほど熱心ではなく、一方で、アルバイトのほうが「本業」になってしまい、それならばと、大学を中退してしまう人が相当数あったのではないかと思います。

それが、この1年間自粛ムードでしたので、そのようなアルバイト先も数が限られ、結果として、学業とアルバイトを掛け持ちする人が大幅に減っているのではないかと考えてみました。

新型コロナがきっかけで「印鑑を無くする」という議論に向かったことと結びつけるのは強引のような気がしますが、要るもの/要らないもの、本来すべきこと/余分なものなど、落ち着いて仕分けしてみると、従来と違った生活パターンが現われてくる。そういう側面も影響したのではないかと思われます。

この景色もまた「新しい日常」なのではないかと思います。

(公開されているスタジオジブリの「おもひでぽろぽろ」の画像からいただきました。本文とは関係ありません)