ここでも、官と民の役割を感じたり

日本時間の11月16日、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんら4人が搭乗した、民間会社であるアメリカの「米スペースX社」の新型宇宙船の運用1号機がち上げに成功しました。

宇宙開発は膨大な費用がかかるので、いち民間企業では負担できないものであり、アメリアとソビエト連邦が国の威信をかけて費用を度外視して競いあっていたものです。

それが、今や、すぐに効果が市民に還元されるのかどうか不透明な「宇宙」などに税金を大量に使うことが無駄遣いとされる風潮と相まって、国の関与が低下し、逆に、様々なビジネスアイデアを加味すると有人宇宙飛行も長い目でみると元がとれる効果を生むことができるという読みもあるのか、違和感なく民間への移行が当然となってきています。

空から観測することによって、例えば、農業に関しては、地上からではわかりにくい土地の様子や気候の変化などを衛星データで確認できるというようなことが期待できるので、どこでどんな農産物を作ればいいかを効率的に検討できるとか、また、まちづくりでも衛星からのデータを見て防災対策に役立てたりすることができるとか、画期的な発想をする人がいるものだと思います。さらにそのアイデアをわかりやすく提示し、民間から多くの資金を調達することもできる構造になっているようです。

こういう広域の施策は、かつては国なり官が行ってきたものですが、柔軟なアイデアは、やはり民間のほうが、とんでもない発想も拾うことができる点などで、新しいことにチャレンジするのに向いているものなのかと理解しました。

新たな課題にチャレンジという点では、行政手続きのデジタル化に関しても、国や地方自治体のなかだけで検討していても、これまで必要だった書類の手続きを簡略にするには限界があるような気がします。デジタルに明るい民間の専門家も検討に加わるという報道もありますが、様々な規制や許認可の必要性なども含め、洗い直していただきたいと思った次第です。

(イラストの著作権はジブリです。本文とは関係ありません。「風立ちぬ」からいただきました)