印鑑不要に代わるもの;車の購入の場合
行政手続きの申請書類に、これまではほとんどの書類に印鑑が必要でした。今は廃止の方向です。
先週も「車庫証明も脱ハンコ、警察庁が年明けに 電子化も検討」という新聞記事がありました。
日経新聞によると、「押印が不要となる主な申請には、車の保管場所を登録する車庫証明(2018年度に約790万件)や、工事やイベント開催時などに必要な道路使用許可(約360万件)などがある。」となっています。車庫証明は車を購入する際に必要な手続きですが、カー・ディーラーに任せることができ、さらに、ディーラーから行政書士に仕事がまわってきたりしますので、購入者自身が警察署に出向くことは少ないかもしれません。ともかく、申請時と、車庫証明の受け取り時に警察署の窓口に誰かが行って、必要な書類に印鑑を押しています。
それを「警察庁は22日、道路使用許可や車庫証明の申請など警察署の窓口で行う全ての行政手続きについて、押印を廃止すると発表した。年内に関連法令を改正し、年明けには全国の警察でハンコなしで書類を受理できるようにする。」と報道されています。
ちょっと気になるのは、この記事の末尾は、「全国の警察でハンコなしで書類を受理できるようにする。」という箇所です。書類の受け取りの際には、「確かに受け取りました」という趣旨で、それこそ「三文判」を押しているのですが、今回は、簡単なその行為を無くするということなのか、申請時に本人の住民票や印鑑証明を付けて、書類には実印を押す必要があるのですが、その「実印」はどうなるのか、この記事では、「書類を受理できるようにする」とだけなので、読みようによっては、実印の部分は無くならないのか、とも解釈できます。
それを裏付けるように、記事には、警察庁幹部は「引き続きオンライン申請の導入に向けた検討を重ねたい」というコメントもついています。つまり、申請のデジタル化は、そう簡単ではないものと思われます。
この春に税金の確定申告をスマホかっら手続きした際には、マイナンバーカードを読み取らせました。カラクリは十分に理解できていないのですが、自動車の購入の際にも、実印に代えて「マイナンバーカードを端末にかざす」という方法に移行するのか、それならば、マイナンバーカードも普及するものと思われます。また、運転免許証自体もマイナンバーカードと一緒にするという検討もなされていると聞いています。
引き続き動向を見守っていきたいと思います。
(イラストの著作権はジブリです。本文とは関係ありません。「思い出のマーニー」からいただきました)