著作権についての前向きな考え方を喜ぶ

新聞各紙に「ジブリが作品写真を提供”常識の範囲でご自由にお使いください”」という記事が掲載されておりました。たくさんのアニメ映画などを世に出しているあの「ジブリ」です。

「作品を見てくれた人に恩返しがしたい」「作品のためにも、(場面写真が)みんなに広く活用されたらいい」という趣旨とのことです。

スタジオジブリのホームページにすでに、「新しい作品を中心に8作品、合計400枚を提供します」として場面写真を1作品につき50枚ずつが公開されています。

8作品とは、「思い出のマーニー」「かぐや姫の物語」「風立ちぬ」「コクリコ坂から」「借りぐらしのアリエッティ」「崖の上のポニョ」「ゲド戦記」「千と千尋の神隠し」という、有名なものばかりです。

「デジタル社会における著作権問題にも一石を投じる、興味深い試み。突然、なぜ、そんなことを? その背景には「著作権の使い方を間違えると作品が消えてしまう」という危機感があった。」とのこと。

著作権法では、個人のホームページやブログ、SNSに、他人の著作物を許可なく掲載することを禁じていますが、今回、ジブリが提供する画像については自由に利用できるということです。

法律で著作者を守ることも大事だが、ライセンスビジネスとは別の観点から、著作物は、誰かが読んで、見て、聞いてくれないと意味がない。常に世の中の人に楽しんでもらい、話題に上がる、それが一番重要。作った人のものだけど、作った人だけのものじゃない」と記事は伝えています。

「常識の範囲でご自由に」といっても、現行法を無視して好き勝手やっていいということではない。法律は遵守しつつも、「そう目くじらたてなくてもいい領域があるんじゃないの?」というのが鈴木プロデューサーの考え、ただ作品を貶めるような「誹謗中傷はやめてね」と呼びかけていた、とのこと。もちろんです。

著作権法を踏まえて、「著作物は、誰かが読んで、見て、聞いてくれないと意味がない」という寛大な考え方。ますます、ジブリの人気は高まっていくものと思われます。

(さっそく、「風立ちぬ」から1枚、いただきました!)