行政手続きの完全デジタル化への道

新型コロナの影響で、何かと不自由な生活で、どうしても、去年はどうだったという振り返る機会が多くなってしまいます。そうしている最中に、昨夕、スマホに飛び込んできたニュースは、日経デジタルの「請求書、完全デジタル化へ 仕様統一で政府・50社協議」というものでした。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62042490Z20C20A7SHA000/

世の中、経済活動などが停滞しているように見えて、実は、進めるべきところは、しっかり動いていることを感じました。

「企業間でやりとりする請求書の完全なデジタル化に向け、データ仕様を統一する取り組みが始まる。政府とソフトウエア企業など約50社が近く協議を開始し、2023年までに導入をめざす。会計や税に関する作業を効率化し生産性を高める。」という内容から始まる記事の内容です。政府が音頭をとって会計業務のデジタル化、統一化を図っていく動きです。

日本のデジタル化は海外に比べて遅れている。電子商取引の利用率は経済協力開発機構(OECD)に加盟する38カ国中で20位にとどまる。」ということですので、行政全般の課題はあるものの、まずは手のつけやすい会計方面から改善を図っていくということになっています。

「中小向けに月数百円程度で使えるクラウドサービスも開発し政府は導入費用の補助を検討する。オンラインで可能な税務申告や、雇用保険、年金保険など行政向けの書類作成とも連動する。協議会が年内にも共通仕様を固め、22年秋から順次サービスを始める。」

デジタル化の進展は、逆に、こういった「統一化」を実現しやすい環境を整えつつあることも記事を読んで理解できました。以前ならば、書式の仕様が変更になれば、それに伴い、必要な用紙を購入する、あるいは、処理する高価な装置を導入する必要があるということから、大企業はともかく、末端の中小企業まで含めた統一化は難しかったものが、「ペーパーレス」なので、「新規の領収書用紙」のような冊子を購入する必要はない、また、ソフトウェアも各自が買わなくても、クラウドで処理できるので、月数百円の利用料を支払えば対応できるというものです。

この試みは、まずは税・会計システムからということで、対象は、中小も含む「企業」が対象になっておりますので、比較的、異論反論も出にくいものと思われます。

そのほかの行政の市民サービスも、うまく戦略を練って、手の付けやすいところから順番に進むものと期待しています。

(写真は、 nao0131さんによる「写真AC」からいただきました)