ICT技術の進化に期待しています

新型コロナウィルスの拡大防止に伴う緊急事態宣言発令中には、「三密」を避けるため、しかたなく、インターネットのお世話になる機会が多々ありました。それが解除された「新しい生活様式」に移行しても、ある程度、人と人との間に距離を設ける必要があり、あるいは、県をまたぐ移動がまだ制限されている状況下では引き続きweb会議やlネット飲み会などのお世話にならざるを得ません。

というように、「しかたなく」、ICT(情報通信技術)に急接近した人が多いことと思います。今回の事態をきっかけにして、これがどういう方向に発展していくのか、政府の資料を参考に、みていきたいと思います。

ちょうどいい題材として、令和2年1月に、総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課が作成した「5Gの普及展開に向けた取組」という資料があります。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000668256.pdf

「携帯電話等契約数の推移と移動通信トラヒックの増加」、「移動通信システムの進化 (第1世代~第5世代) 」と過去を振り返り、「第5世代移動通信システム(5G)とは」と展開されます。中国、韓国、欧米は少し先に立ち上がっていますが、我が国の場合、まさに、2020年が飛躍的に進化を遂げた「5G」の出番です。

キーワードは「超高速」、「超低遅延」、「多数同時接続」です。2番目の「超低遅延」とは漢字にすると聞きなれないことばですが、「利用者が遅延(タイムラグ)を
意識することなく、リアルタイムに遠隔地のロボット等を操作・制御」できることを指すものです。

①遠隔治療に象徴されるように救急医療が変わります、②ドローンによって自宅からの畜産/農作業管理が実現することで農業の高齢化に対応できます、③同じく、高精度な測量や建機の遠隔・自動操縦によって建設業の仕事のやり方が変わります、④災害情報を網羅的に把握し、被災者に最適な避難経路情報を届けることができ災害に強い社会が作られます、⑤公共交通機関が利用しにくい地域でも、自動運転タクシーで好きな時に、好きな場所に出かけることができるようになります、⑥買い物の仕方が変わります。--というように、様々な分野の活用が解説されています。一部は、2年間かけて全国のモデル地域で実証実験が行われたようです。

後半は通信基地の配置や通信網の充実などのインフラ整備に関する具体的な取り組みが示されています。

ここで最先端の技術に抵抗感がなく、容易に取り入れることができる世代と、機械は苦手という主に高齢の世代が存在します。いくつかの適用例は、むしろ高齢者をターゲットにして、その利便性を活用してもらおうという方向性です。

同じ総務省が取り組んでいる「マイナンバーカード」は、たいへん便利な機能を持っていて全国民に普及することが期待されていますが、なかなか普及しないように、たいへん便利な国の取り組みが、遅滞なく高齢者にも行きわたるための、機械にはできない何かをワンポイント、プラスする必要があるのではないかと感じました。

(イラストはこの資料からいただきました)