頑張れ!マイナンバーカード

国民全員に1人につき一律10万円支給されるマイナンバーカードによる申請についての報道があまりにもひどいので一言、言わせてもらいます。

全国の自治体で、この申請が始まっています。ほとんどの自治体で、電子申請と郵送による方法が併用されています。

ところで、テレビなどの報道では、電子申請と郵送による方法の「どちらが早いか」を強調してとりあげ、行政による混乱ぶりを演出しています。

そもそも、平常時に、きちんとこのシステムの普及について国民が正しく理解して政府に協力していれば、こんな混乱は起こらないで済んだものです。

行政の職員が二人ペアで何をやっているのかといえば、申請されたマイナンバーと住民基本台帳との照合です。これは計算システムのなかで簡単に行うことが可能な問題ですが、別々のシステム間の連携を「今はまださせない」ことで、「国民に安心」を与えてきた結果の産物です。

報道は、「やがてこういう光景を無くしていくべきですし、その方向で法整備も進められています」程度に、国民の理解を得るように説明すべきです。

さらに、「マイナンバーカードによる申請をやめた自治体があります」として、香川県の高松市を取り上げています。これも、実情を正確に伝えるべきです。高松市では、まだ、「郵送による申請が始まっていない」のです。郵送の申請書は5月24日から発送されるというもので、郵送申請の受付は5月25日からとなっています。

ですので、その前にできることとして、電子申請手続きをしているもので、手元に郵送申請書が届いたら、来週になりますが、それで申請すればいいのです。高松市は合理的に、それまでの手前の期間は電子申請対応、来週からは郵送申請対応という具合に取り組んでいるに過ぎないわけです。

これをあたかも、マイナンバーカードによる電子申請は、「国民の皆さん、やるべきではありませんよ」という具合に演出報道するのはいかがなものかと思った次第です。

私の住んでいる川崎市の場合も、郵送の申請書の発送は「5月下旬から発送」ということが示されており、郵送の申請が可能になるのはずいぶん先になります。

ですので、こういう場合、「郵送申請がいいのか、電子申請がいいのか」ではなく、「今はまだ郵送申請ができない」段階なので、電子申請をお勧めする、という程度の報道にとどめるばきだと強く感じました。

最後に、「行政サイドに個人の口座番号が知れるのは、なんだか薄気味悪いですね」と畳みかけます。今回の電子申請に際して連絡する個人の口座は、「これまで、水道料金や税金の自動引き落としで使われたことがある銀行又は郵便局の口座」となっています。すでに行政のなかでは登録されているものです。本来であれば、省庁間の垣根を取り払えば、わざわざ、給付金の申請の際に改めて口座番号を知らせてあげなくても、特定の行政庁に知れているものです。これも数年先には実現するものです。

以上、一部の報道は、ことごとく、昭和年代の「国民総背番号制反対運動」の名残を引きずっているように感じました。こういう機会に正しく国民の理解を進めて、先進国のなかで最も電子化が遅れた今の状況が改善されることを願っています。