コロナに負けない;長期戦に備える
我が国の新型コロナウィルスの感染者がとうとう、1万人を超えました。全国を対象に緊急事態宣言が出されましたので、今後の急拡大に歯止めがかかることを祈っています。特に、今回の対策はゴールデンウィークの人の移動を抑制するものであり、多くの国民は、その趣旨を理解していると思います。とりあえず、いろいろな措置は「5月6日まで」すなわち、連休終了まで、とされています。3月末の三連休のときのように、規制の終了とともに、抑制の反動で人々の活動が活発になり、せっかく抑え込みに成功しかけた感染拡大が再度起こらないか気になるところです。
休業要請を受けて飲食店や様々な店舗にとどまらず、コンサートやスポーツのイベントは、5月、6月まで中止が決まっているものが多数に及びます。そのように、この新型コロナウィルスの影響は、短期間のガマンにとどまらず、少し長期戦になることを覚悟しておくべきだと思います。
今回、政府が「緊急事態宣言の対象区域を全都道府県に拡大することに伴い、国民1人当たり一律10万円の給付を決断した」という措置は、そういう流れのものと解釈しています。すなわち、いろいろ苦しいことがあると思うが、国民全員一丸となって、とりあえず外出自粛などの要請にしたがってほしいということへの一人ひとりの対応として。ここを乗り切れば、爆発的な感染拡大は阻止できるという読みがあるものと思います。
そうならなかった場合のことを論じても始まりません。ぜひ、この要請にしたがい、効果があがることを心から期待したいと思います。
少し気になるのは、「国民」という箇所です。日本国憲法でも、
【日本国憲法第11条】
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」とうたっていますが、この解釈は、「基本的人権は権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き外国人にも保障される」(マクリーン事件:最高裁昭和50年10月4日)とされています。
今回の「10万円」は、言葉どおり、日本国籍を有する「日本人」に限られた措置なのかと解釈していますが、支給方法を含め、詳細が発表されておりませんので、それが出された時点で、あらためてコメントしたいと思います。
(写真は、Green Planetさんによる「写真AC」からいただきました)