コロナに負けない;日本国憲法と外国人の関係

今回、政府が「緊急事態宣言の対象区域を全都道府県に拡大することに伴い、国民1人当たり一律10万円の給付を決断した」という措置に関連して、日本国憲法と外国人の関係について補足しておきます。

【日本国憲法第11条】

「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」とうたっていますが、この解釈は、「基本的人権は権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き外国人にも保障される」(マクリーン事件:最高裁昭和50年10月4日)とされています。

だからと言って憲法上のすべての人権が外国人にも保障されるわけではありません。

(1)「参政権」は外国人に憲法上保障されるか
選挙権や被選挙権といった参政権については、日本国籍を有していない外国人には憲法上、基本的に保障されないものと解されています。
ただし、「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない」と判示されていますので、国が法律で永住権を有した外国人に対して地方自治体の参政権を付与すること自体は憲法違反にならないとされています。出典:定住外国人地方参政権事件(最高裁平成7年2月28日)

(2)「社会権」は外国人に憲法上保障されるか
「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を規定した憲法25条から具現化される権利として、生活保護や失業保険給付などが代表的な例です。
憲法の人権規定のうち「社会権」については、日本国籍を有していない外国人についても憲法上できる限り保障されるべきであり、保障しても憲法違反にはならないとされています。

(3)「自由権」は外国人に憲法上保障されるか

具体的には、「奴隷的拘束・苦役からの自由(18条)」や「思想・良心の自由(19条)」、「信教の自由(20条)」や「言論・表現の自由(21条)」、「職業選択の自由や居住移転の自由(※ただし入国の自由については争いがあります)(22条)」「学問の自由(23条)」や「法の下の平等(14条)」などが挙げられます。

この点、これら「自由権」や「平等権」は、基本的に日本国籍を有していない外国人にも憲法上保障されているとされています。

やはり、政府の「緊急事態宣言の対象区域を全都道府県に拡大することに伴い、国民1人当たり一律10万円の給付」に関しては、「在留期間が3か月を超える住民基本台帳に記載されている外国人」も対象になりましたね。生活が苦しいのはお互い様なので、なによりです。

(写真は、とびうお(ORI)さんによる「写真AC」からいただきました)