この機会に様々な取り組みを学ぶ

少し、新型コロナウィルスの話題から離れます。
私は函館出身で、現在、高齢の父が病気からのリハビリで地元の病院に入院しています。今時点は、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点で面会も禁止になっていますが、おかげで、この病院に関してネットを通じて、いろいろ知ることができました。先進的な取り組みをされていますので、その一端をご紹介します。
いくつかの坂の景色で有名な函館・元町にある「高橋病院」というところです。紹介記事と写真を添付しました。

http://takahashi-group.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/201912_medicalhakodate.pdf

記事によれば、この病院自体は、2018年に創業125年を迎えたそうです。
伝統もたいしたものですが、IT化を積極的に進めています。
「IT化」と聞けば、コンピュータやタブレット端末やらの装置導入が目に浮かびますが、この取り組みは、そのようなことについてほとんど触れられておりません。
「日本は少子高齢化社会と同時に多死社会に突入しているが、このような社会で求められる医療としてACP(アドバンス・ケア・プランニング)が注目されている」として、その取り組み内容が詳しく紹介されています。
私が、これはいいなと感じたのは、その取り組みを、カタカナのままにするのではなく、患者さんと一緒に「人生会議」という名称で定着させていることです。
実践してみての一言ですが、他のいろいろな取り組みも踏まえて、高橋理事長は、そのようなものが亡くなるまでの医療、ケア中心の議論が多いと指摘しています。
「本人の悩みはむしろ自分の死後のことの方が多いです。本人が存命中に、死後に対する家族等への思いや悩みをどう吐露できるか、そしてどうそれを日常のケアに活かし、その後の人生・生活につなげていくかが問われています」
「人生会議、ACPは、将来を考えるためのものでなく『今をどう生きたいか』を考えるためのものです。家族には言いづらいことも、医療者は家族ではないからこそ、言いやすいこともあると意識しています」とのことです。
そのような実践をパンフレットにまとめています。
ほんとうの「IT化」というのは、こういうことなのだと感じ、ここで紹介させていただきました。