再び「空き家問題」について

「空き家」が増え続けています。令和元年9月に発行された総務省のデータによると、空き家は 約850万戸、全戸数の約14%を占めています。つまり、7軒に1軒は空き家ということになります。
空き家があることや増え続けることによる周辺への影響として、「風景・景観の悪化」、「防災や防犯機能の低下」、「ゴミなどの不法投棄を誘発」、「火災の発生を誘発」などが挙げられます。
また、空き家の損壊や倒壊等により周辺家屋や通行人等に危害を与えた場合、所有者に過失がなくても損害賠償責任が及びます。空き家は傷みが早く建物価値の低下を招きやすいほか、第三者による占有や盗難、地震等の災害リスクにさらされることもあります。
「空き家」が発生する要因について、平成26年度空家実態調査のうち、特に空き家問題が深刻な「戸建空き家」について人が住まなくなった理由をみると、最も多い理由は「死亡」で、「別の住宅への転居」、「老人ホーム等への転居」がこれに次いでいます。
一方、賃貸や売却用の空き家では需給のミスマッチ、すなわち、ニュータウンなどでは、利便性の高い都心に人口が回帰し、郊外の住宅需要が減衰してしまったこと、あるいは、子供の独立後、高齢夫婦が一人暮らしとなり、施設への転居や長期入院で空き家になるといったケースも事例が多くあるようです。

「空き家」を簡単に、利活用・処分できない理由としては、親族間の共有になっていて合意形成ができないことや、所有者が認知症で意思能力がない、売却や賃貸化するだけの市場性がない、修繕コストをかけたくないなどの点が挙げられます。建物を除却すると固定資産税が上がるといった点も挙げられます。

不動産関係の業界の方は、更地にして転売、建て替えという方向で問題をとらえるものと思われますが、その前に、行政書士にできることは何でしょうか。
まず、相続の際に、権利関係が複雑になって放置されてしまうようなケースを極力避けるようアドバイスするということができるのではないかと思います。もちろん、遺言・相続は当事者の方の意思ですが、法定相続人が複数いらっしゃる場合でも、権利が均等であることのみを優先し不動産を共有にすることが必ずしも望ましい解決策ではないと考えます。
一方、現に、発生してしまった「空き家」に関して、複雑な権利関係をたどる作業もけっこうな労力を要するものだと思います。自治体からの委託によって、このような作業を請け負うことで、次のステップに進めるお手伝いができるものと思われます。
(写真は、流浪のマサじぃさんによる「写真AC」からいただきました)