就職氷河期の人の試練はまだまだ続くのか

「就職氷河期」とはどういう年代を指すのかについて諸説あるものの、wikipediaによると、一般的に1970年(昭和45年)から1982年(昭和57年)あるいは1984年(昭和59年)までに生まれた1990年代半ばから2000年代前半に社会に出たり、2000年前後に大学を卒業した、現在40歳前後の世代のことだされています。

政府の統計によれば、「35~44 歳」世代の不本意非正規雇用者は 50 万人、家事や通学をしていない非労働力人口は 39 万人 」となっています。

https://www.stat.go.jp/data/roudou/tsushin/pdf/no21.pdf

私がこの問題に触れたいのは、この人数が、まさに、各産業分野が「人材不足」として外国人労働者に依存しようと計画している人数とほぼ同じ規模だからです。うまい施策によって、この世代が就労できれば、外国人技能者を採用しなければならない枠は少しでも削減できるのではないかと思われます。
外国人は就労すべきではない、ということを言っているのではなく、現在の2倍、3倍の規模で外国人が長期間の就労目的で滞在する社会は、これまで日本が経験してこなかったものであり、受け入れる側の地域なり社会全般が十分な準備がなされていないなかで抱えると、様々な社会問題につながると想定され、人数は少ないほうが望ましい、あるいは、増加のスピードはゆっくりのほうが準備に時間を使えると思います。

政府もなんとかしようと考えているようで、一般企業に対して、この層を雇用する場合の補助金を導入したり、あるいは、この層が就労するにあたって手に職をつけるための支援策を設けています。

官庁自身も、この層に限った採用枠を設けて臨時に募集をかけています。雇用関係を扱うのは「厚生労働省」です。昨年の12月25日に「厚生労働省本省就職氷河期世代採用選考を実施します」として、職員を募集しました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08684.html

募集期間は、今年の1月10日まで。カレンダーでは2週間ですが、年末年始をはさみますので、応募した人はかなりタイトなスケジュールだったと思われます。
その応募状況が公表されています。募集枠10名に対して、なんと、申込者数が1,934名とのことです。「約200人に1人」の採用という狭き門です。
この厚生労働省の募集は、自らも姿勢を示すという趣旨のもので、これによって就職氷河期全体をなんとかしようと狙ったものではないと思われますが、その第一次選考が昨日、2月2日。この年代の方試練は、まだまだ続くようです。

(写真は、サンサンさんによる「写真AC」からいただきました)