即戦力を求める、農林水産省、経済産業省、国土交通省;就職氷河期対策

「就職氷河期」の時期に就労できなかった層は、 約50万人とも、約100万人ともいわれており、人材不足がこの先さらに深刻になる、技能系の分野をかかえる、農林水産省、経済産業省、国土交通省にとって、重要な課題と思われます。
内閣官房「 就職氷河期世代支援推進室 」でまとめられている各省庁の令和2年度の施策のうち、この3つの省庁の内容をみてみます。
【農林水産省】
・農業人材力強化総合支援事業
・「緑の人づくり」総合支援対策
・漁業人材育成総合支援事業
・農山漁村振興交付金

【経済産業省】
・学びと社会の連携促進事業
・地域中小企業人材確保支援等事業
・サイバー・フィジカル・セキュリティ対策促進事業費

【国土交通省】
・建設業における人材育成と担い手の裾野拡大
・自動車整備業における人材の確保・育成
・造船・舶用工業における人材の確保・育成
・内航船員の育成・確保のための対策
・地域における観光産業の実務人材確保・育成事業
やはり、3省とも、人材が不足する分野への活用を考慮しているのと、そのための人材育成もしっかり計画されています。
これを整理して気づいたのは、「 自動車整備業」、「 造船・舶用工業」の分野に必要な人材は、経済産業省の施策かと想定しておりましたが、  国土交通省 として予算要求が行われています。モノづくりと交通インフラの両面にまたがる問題ですので、より、高所からコントロールできる「 国土交通省」が建設業人材育成も睨みながら統一した施策を打つことを計画しています。
このあたり、令和元年から始まった「特定技能」という新たな外国人技能者の人材枠と重なります。どちらの施策も単純にはいかない課題があると認識しています。外国人を採用するか、人材育成の支援策とセットで氷河期の人材に間口を広げるか、事業者にはいろいろ選択肢が増えたものと思われます。