官庁の手続き;例えば「風力発電」における環境省の役割
今回の安倍改造内閣では、特に、小泉進次郎環境大臣がマスコミに取り上げられています。環境にやさしい政策を推進する役所なのだから、原発を廃止にして風力などの自然エネルギーを推進すべきだという小泉パパのエールが聞こえたりします。確かに、事故のあった福島の原発の汚染水処理問題をはじめ廃棄物の処理は環境省の責務です。
一方、行政書士の業務に結び付くかどうか定かではありませんが、「環境影響評価」というプロセスを経て認可される「風力発電」について、一連の官庁の手続きを調べてみました。
かなり複雑な手続きですが、黄色にマークしましたとおり、
・①「配慮書」(計画段階環境配慮書)
⇒②「方法書」(環境影響評価方法書)
⇒③「準備書」(環境影響評価準備書)
⇒④「評価書」(環境影響評価書)
という具合に段階を踏んで、計画が具体化されていきます。ぞの都度、住民にとって「一般意見の提出」と表現されている、パブリック・コメントを提出する機会があります。
肝心の書類の提出先は、「環境省」に直接ではなく、風力発電事業を将来行いたいという「事業者」から、「経済産業省」と「地方自治体」に提出されます。「環境省」は、経済産業省の判断で、個別に意見を求める必要がある項目に関して、前段の、①「配慮書」、③「準備書」の段階で意見を述べる立場であるにすぎません。
最後の段階で、工事計画の認可申請を提出する先は、「経済産業省」となっており、認可や変更命令を下すのも「経済産業省」の役割です。
行政書士を名乗るようになってから、このような手続きに関しても、それぞれの官庁がどういう役割を担っているのか、許認可の申請書類の流れがどうなっているのか、関心を持つようになってきました。
国民的人気が高い政治家ではありますが、小泉進次郎先生の「環境省」の役割は、この手続きに関しては限られた立ち位置のようです。