事務所が成長する過程とは

私が行政書士事務所を登録したのは、令和元年になった日、5月1日です。 その前後に、独立して「事務所」を持ち、運営するためのノウハウのセミナーにもいくつか参加してきました。最近も異業種の方と会話する機会があるのですが、やはり、人口減少や景気がいまいちパッとしないことで、全般的に言えることは皆さん苦労されているということです。

あるセミナーでは、とにかく、毎日毎日、ブログ、ツイッターにメッセージを書いて、フォロワーを増やすことが先決ということを教わりました。 私はツイッターは休止していますが、ブログはその教えの結果というよりも、自分自身の頭のなかの整理のために、思いついたことを書くようにしています。 話を戻すと、そのようにブログをみてくれる方を集めるとそれで自動的に仕事が舞い込んでくるか、事務所が発展するかといえば、そうでもないような気がします。 たとえば、近所にチラシ数千枚、FAX数件を入れるという手法も同様で、まんべんなくたくさんの情報手段を使って、ここに行政書士がいる、ということをアピールすることは意味のあることだとは思います。 しかし、スーパーや雑貨店と異なり、行政書士とコンタクトを持ちたいという機会は、毎日あるものではありません。会社を興したい、経営内容の変更手続きをしたい、相続・遺言、親族が認知症になりかけている、知人の外国人の入管手続きが必要になった、自動車の名義変更、ペットをめぐるトラブルなど、人生のなかで、そう何回も起きないようなことが、たまたま起こったときにお知らせを頂戴するようなしかけを作っておく、という段取りに過ぎないものと思います。

ですので、事務所発展のカギはネットを活用して〇〇することだ!--というのは、千にひとつ、万にひとつのタイミングが合うチャンスに、候補としてお知らせしておく、という段取り過ぎないことがわかってきました。

その一方で、右も左もわからない新米行政書士を囲って、法外に高いセミナー料金を課したり、あるいは、登録料や指導料と称して、毎月毎月、数万円を徴収する仕組みに囲い込んだりする、「ヒヨコ・ビジネス」とでも称すべき、様々な組織が横行しているように思います。

そんななかで、先日ある研究会で講師の先生が事務所発展の秘訣を教えてくれました。そのヒントは「わらしべ長者」にある、ということ。ご存知のとおり、このお話は、最初、わら3本をもらった弟が、下駄の緒を切って困っている女性に藁をやり、三年味噌(みそ)をもらう、というところから始まり、物々交換を繰り返して、最後は長者になるというものです。 行政書士もこれを見習うべきだと。同業者あるいは、税理士さんや司法書士、弁護士その他の異業種の方に、何か与えることが必要だという説です。もはや、士業間で足を引っ張りあって争う時代ではないということ。 お互いにできることを与えあうことで、相手の手に余る案件がきたときに声をかけてもらえるようになる。逆にいえば、そのような人間関係を多数もつことが事務所発展の王道だというものでした。

今は、その教えにそって、せっせと人脈を広げていきたいと思います。