入管問題とは(その4)
さて、あらためて、改正前法律に基づく、在留者の現状内訳をみてみましょう。
そのようなデータは厚生労働省のホームページにあります。
「日本で就労する外国人のカテゴリー(総数 約146.0万人の内訳)」
平成30年10月末現在の人数です。
(1)就労目的で在留が認められる者 約27.7万人 (いわゆる「専門的・技術的分野の在留資格」) (2)身分に基づき在留する者 約49.6万人 (「定住者」(主に日系人)「永住者」「日本人の配偶者等」等) (3)技能実習 約30.8万人 (技能移転を通じた開発途上国への国際協力が目的) (4)特定活動 約3.6万人 (EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者、外国人建設就労者等) (5)資格外活動(留学生のアルバイト等) 約34.4万人
改正によって定義された「特定技能1号」、「特定技能2号」と上記の 従来からの在留者との相違点をまとめたものは以下の表です。
一言でいえば、今回の制度改正は、「技能実習=低賃金」と異なるものの、まず、 ①単純労働 が対象だということ、しかし、 ②技能試験、③日本語能力試験 をしっかりクリアし、就労条件として、 ④日本人と同等の給与水準 の条件で雇用される外国人が対象になります。
低賃金でタコ部屋のようなところに外国人を「実習生」という名目で囲う、という今までの暗い面がしっかり払拭されるかフォローしていきたいと思います。
ちなみに、政府が発表した人数の目標値も掲載しておきます。 5年後には、日本人並みの給与を支給される外国人の数を35万人まで高めて、145万人も不足する労働力を補うということが実現できるのかという観点でも注目されています。