入管問題とは(その1)
我が国を訪れる外国人は増加を続けている、というのは繁華街でみかける外人が数年前と比較して実感できるものです。それへの対処として、「厳格な出入国管理と円滑な入国審査を高度な次元で両立し、特に、増加する外国人に対する在留管理を的確に行っていくことが求められている」というのも理解できます。一方で、産業界はより広範囲な分野に外国人材を求めているものの、あくまで「深刻な人手不足への対応として真に必要な分野に着目しつつ一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れるという制度の趣旨に則った運用がなされるよう適切な対応をとる」ということであって、どんな分野にも無条件に外国人が流入してくるわけではない点に注意が必要ですね。実際のデータでも、下のグラフの「訪日外国人旅行者数」に関しては、平成25年までは、1千万人レベルだったものが、平成30年には3千万人と、2千万人も増えており、3倍になっています。しかし、上のグラフの「在留外国人」に関しては、平成25年に212万人だったものが、平成30年で増えているとはいえ、273万人です。旅行者が3倍にもなっていることに比べれば、かなり増加を抑えている、とも見てとることができます。これを混同しないようにすることが大事ですね。つまり、近い将来、深刻な人手不足が想定されるとはいえ、無制限に外国人材を受け入れているのではなく、それと反対に、「一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材」にほんとうに該当するのか否か、という視点で厳しいチェックが行われている、というところを認識し官庁が求める審査に対応する申請資料も、それなりのきっちりしたものでなければならないと理解しました。少し、回数をかけて、「高度人材」の受け入れに関してみてみようと思います。