新型コロナ対策;感染者が爆発的に増えた場合の措置
新型コロナウィルスの感染者が増え続けています。とはいっても、米国の24万人、イタリア、スペインの11万人と比べれば、日本はクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」の罹患者を含めても3千人なので、一桁以上も下回っています。
ここからが肝心だと思います。最初の千人に達したのが1月16日、2千人になったのが3月31日で75日もかかっていました。ところが、3千人になったのは4月3日で、わずか3日です。これは、一人の感染者が複数の人を感染させるため、ねずみ講のように、あっという間に、2倍、4倍に増えていく図式です。
したがって、ニューヨークやイタリア、スペインで病院のベッドが足りない、酸素吸入器が不足しているので二人で1台使う、というような事態がすぐそこまで来ていることを認識しておかなければならないと思います。
そこで、最近の政府の対策も、感染拡大によって所得が下がった世帯をどうするかという問題と並行して、病院やベッドの数をどうやって確保するのかということに回っているようです。
ここでも重要なのは、従来の規制の壁を取り除くことになります。病人は病院に収容されるべきですが、ベッド数が足りない状況が目前に迫っており、そうも言っておられない。軽症者まで病院に入院させるとすぐにベッド数が不足し医療崩壊につながりかねません。
今回、厚生労働省は「新型コロナの感染者のうち、軽症者や無症状の人については必ずしも入院勧告の対象とならず、都道府県が用意する宿泊施設で療養することができる」という通知を出しましたが、これは緊急時だからとれる措置であり、ホテルなどの一般の施設を借り上げることになるものと思います。
さらなる感染拡大防止のために、ゾーニングの問題、消毒や食事の提供などのきめ細かい対策をきっちりやる必要がありますし、看護師さんや保健師さんが常駐する必要がありますので、病院と異なり、そのような人と設備を上手に管理する体制を病院と同等以上にあちこちで短時間に設けなければならないことになります。
行政手続きが気になったのですが、もはや、そのようなことをうんぬんしているレベルではない段階に来ていることを再認識しました。
まだ感染していない私たちにできることは、密閉・密集・密接の「三密」を避け、不必要に出歩かず、手をよく洗い、感染拡大を各自が食い止めるということにつきますが、これからが外国と同じ道をたどるのか、あるいは、対策が功を奏してパニックにならないで済むかの重要な局面に入ったことを認識して冷静に見守りたいと思います。
(写真は、pyontakkuさんによる「写真AC」からいただきました)