内部連携のデジタル化、住所はたいへんそう

新聞に「デジタル化」の記事が増えているように感じます。以前は、「印鑑不要」のような行政手続きの入口に関するものがほとんどだったように思いますが、デジタル庁ができてから、いろいろな検討が進んできているのか、省庁間の内部連携にまつわる話題がぼちぼち掲載されるようになっています。

「住所」もその一環だと思います。は配達の無人化や省力化あるいは「空き家」対策などでも住所のデジタル化が必須です。日本全国には7桁の郵便番号が割付られていますが、さらに、何町何丁目何番何号までを特定するためのデジタル化です。しかし、いろいろな障壁があるとのこと。

通常の住所表記は総務省の管轄ですが、登記簿の表記は法務省となっています。登記上の「地番」は通常の「何番何号」ではなく「何番地」となっています。手作業で登記していた時代には、そういうものと割り切っていたものが、デジタル化が進めば、省庁間の連携も必要になり、異なる表記の関連付けが問題になっていきます。

さらに、札幌などの新しい碁盤の目のような住所表記はデジタルに馴染みやすいと思いますが、一方で、京都のように「京都府京都市東山区三条通南裏二筋目白川筋西入ル二丁目南側木之元町」などの長い表示は人手で郵便物を配達するのには支障がないものの、デジタル化を進める上でややこしい問題がありそうです。

ともかく、そのような様々な官庁内部の連携の課題がクローズアップされていることを最近の報道で知ることができます。

携帯電話がそうであったように、世界中で固定電話がない国のほうが普及が早かったところ、日本のように固定電話文化が行きわたっている国は、かえって携帯電話のアンテナ等の投資が二重の負担になり遅れたように、過去の各お役所の「財産」がかえってデジタル化の障害になることが十分に想像できます。

今のタイミングを逃すとさらに世界から遅れをとりそうなので、力わざで乗り越えていただきたいものです。

(近所の公園です。イチョウが見ごろになってきました)