引き続き「事業再構築補助金」(その5)

東京オリンピックは、やはり開催する方向になるようです。賛否両論があり、コロナ前、多くの国民に祝福されて開催が予定されていた時と様変わりです。日本流のやり方は、西欧と比較して変化への対応ということが下手なのではないかと常々感じております。

さて、外国人は来ないは、旅行にいけない状況など、コロナ影響はあちこちに出ています。「コロナ後」を見据えて、仕事の内容を変えなければならないとお考えの事業者の方もいらっしゃると思います。経済産業省 中小企業庁の「事業再構築補助金」というものがあります。補助率は2/3ですが、金額は100万円から6,000万円までの補助金の支給を受けることが可能です。

「事業再構築」として、①「新分野展開」、②「事業転換」、③「業種転換」、④「業態転換」、⑤「事業再編」の5つの類型に応じた申請様式が用意されています。

これまで、①~③をみてきました。航空機部品製造から医療機器の製造を手掛ける、日本料理屋が焼き肉店を始める、さらには、思い切って、工場をたたんで最新のデータセンターに鞍替えするなど様々な類型が示されています。

本日は、4番目の「業態転換」をご紹介します。例が二つ示されています。

◆ヨガ教室を経営していたところ、コロナの影響で顧客が激減し、売上げが低迷していることを受け、サービスの提供方法を変更すべく、店舗での営業を縮小し、オンラインサービスを新たに開始する。

◆健康器具を製造している製造業者が、コロナの感染リスクを抑えつつ、生産性を向上させることを目的として、AI・IoT技術などのデジタル技術を活用して、製造プロセスの省人化を進めるとともに、削減が見込まれるコストを投じてより付加価値の高い健康器具を製造する、

あらまあ「業態転換」とは、言葉がものものしい割に、変更内容はそれほど大きなものではありません。これまでの類型は、なにがしか、営業品目の変更を伴うものだったのに対して、今回の「業態転換」の類型は、簡単な表現をするとすれば、商売の形は少し変えるものの、商品やサービスの内容は従来と変わらない、というものです。
ただし、この場合も「製造方法等の新規性要件」、「商品等の新規性要件」、「3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製造方法等による売上高が、総売上高の10%以上を占める計画を策定すること」という点を説明する必要があります。

いままでどおりのものを扱いながら売り方を変えてみるという点で、この類型は案外多いのかもしれません。

(散歩中によく見かけます。写真をgoogleで確認すると「ノウゼンカズラ」だとわかりました。色が鮮やかで夏を感じさせます)