混雑を避けてほしい
新型コロナウィルスの感染拡大防止の対策として、すっかり定着した「混雑を避ける」です。ちょっと、状況が違いますが、建設キャリアアップシステムの新規登録がたいへん混雑しています。
そもそも、建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業に関わる技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるための仕組みのことで、資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを登録・蓄積するシステムのことで、国土交通省が推進しています。分かり易く表現すれば、建設業の現場の3百万人の技能者が全員、マイナンバーカードのような顔写真付きの国土交通省から認証されたカードを所有し、毎日、建設業の現場で働く際にカードをタッチして記録を蓄積していくものです。
また、2020年1月には、外国人技能実習生のCCUS登録義務化が施行されています。これによって、技能実習生も処遇改善に結びつけていこうという趣旨です。
2019年から登録が始まっていて、計画では5年程度の期間で、全員にカードを行きわたらせようとするものです。
登録状況がホームページに公開されています。今年の2月度は新規に約2万件の登録がありました。3月にはそれが3万件に増えています。そうなると、月単位で前の月の1.5倍に増えたととらえるか、新規に1万件増えたととらえても同様ですが、たいへん混雑しています。
3月24日時点のデータでは、3月5日に申請した人の分のカードが発送されていますが、込み具合は3月中旬から一層厳しくなっていますので、3月末や4月に申請した分は、1ヶ月以上かかるのではないかと想定されます。
登録書類をチェックする人員を増やす、というのは一つの方策ですが、仮に、1ヶ月に3万人の登録ができたとして、3百万人処理するのに、100か月、すなわち、8年以上かかる計算になります。
「混雑を避ける」ためには、登録書類をチェックする人員を増やすなどの、これまで通りのやり方で人手を増やす以外の、なにか別の方策が必要ではないかと思う次第です。
建設キャリアアップシステムの登録申請のお手伝いをしております関係で、この件は引き続き、考えていきたいと思います。
(建設キャリアアップシステムのホームページから、図を引用させていただきました)