デジタル化が進めば士業はどうなるのか
世の中の皆さん、何かご自身でやりたいことをお持ちながら、なにか妨げになっている少し面倒なのが「許認可」で、それをうまく片付ける方法を提示するのが、例えば行政書士の役割だと思います。
その「許認可」がデジタル化の流れのなかで簡素な方向に向かう見通しです。
そこで、心配が生じます。いろいろな「士業」が失業するのではないかと。
そうなったらたまらないので、ある人は、「士業」は単に許認可手続きを助成するだけではなく、申請者のコンサルとして役割を拡大すべきだというご意見をお持ちです。
単純作業からより高度な作業へという人もおられます。
どうなんでしょう。
許認可の助成とは、例えば、演奏会会場のカギの開け方を示す人のような気がします。鍵師はステージ監督になれるでしょうか、という問題のように思えます。
毎回、鍵をあけてあげて、繰り広げられるステージの数々を見聞きしている人は、「門前の小僧」のように、なにか蓄積を持っているのかもしれません。しかし、一般的ではなく、レアケースのような気もします。
その前に、デジタル化が進めば、すぐにストレートに広く多くの世の中の人にとって、手続きが簡素なものになるか、という点が私はひっかかっています。
パソコンをさわったこともない人がいる、というような論は置いておくとして、デジタル化が導入されたばかりのフェーズは、「デジタル」な手続きと「紙申請」が混在するものです。
日本の行政サービスは親切ですので、「デジタルな方法以外は一切、受け付けない」というような冷淡な方法に切り替えず、「デジタル」もいいが「紙の申請もOK」ということになり、結局、「デジタル」な方法は紙の申請書をスキャンして添付する程度の時期がしばらく続くのではないか、という気がします。
つまり、心配ご無用。日本では、そんなに簡単に許認可のハードルは低くならない、ということなのかと思います。良いことなのか、よくないことなのか。
(ハードルではありませんが、垣根によく使われている赤い花、トキワマンサクというものだとネットの図鑑で知りました)