空き家問題についていろいろ
「5年おきに総務省統計局が行っている「住宅・土地統計調査」。2019年4月26日に発表した最新の調査によると、2018年の時点で日本の空き家は846万戸で総戸数の13.6%と前回の調査より179万戸(3%)増えています」ということです。ヨーロッパの場合、空き家率は数%ということなので、日本は特殊といえます。
これにはいくつか理由があります。
日本で空き家が増え続ける要因
①少子高齢化
②長期にわたって保存・利活用できる家が少ない
③不動産の中古市場・流通が未成熟である
④日本人は「新築好き」
これに加えて、海外では土地や建物といった空間・スペースは、国民全員の共有財産としての認識があり、相続する相手がいない場合は国有となるか、不動産会社などが買い取って、次の入居者に備えるという事情もあるようです。
空き家が増え続けると、老朽化による倒壊、景観の悪化、放火による火災、雪の重みによる倒壊や落雪など、どれも近隣住民に深刻な被害をもたらす可能性があります。
これに対応するために、「空家等対策特別措置法」が平成26年11月に成立しています。この法律では、適切に管理されていない空き家に対して、適切な管理への助言/指導/勧告/命令、跡地の活用促進、罰金や行政代執行などを行えるようになりました。
行えるということと実際に自治体が実施することは別です。具体的には、空き家条例、勧告・命令・公表・罰則・行政代執行があるかなどは、全国の市区町村の条例によるので、全国一律ではありません。東京都の場合、例えば、足立区では「勧告」までですが、大田区の条例では「勧告」、「命令」、「公表」、「行政代執行」までそろっています。品川区もそうです。一方、そういった条例が制定されていない区もあります。
地域の実情に合わせたものと言ってしまえばそれまでですが、自治体が実態調査を行い助言・指導・勧告を行い、それにも関わらず応じない場合には氏名等の公表に加え、
行政が所有者の代わりに空き家を撤去してその費用を所有者に請求する『行政代執行』が可能、という手順を実際にどこまでやる/やらないは別として、全国共通のルールにしても良いような気がしますが、皆さんは、このようなケースで市区町村間でかなりの差異があることに違和感を感じませんか。
(みんなが好きな新築のイラスト、いらすとやさんからいただきました)