モロッコとの関係改善を喜ぶ

先週末に入ってきたニュースで「モロッコ王国による日本産食品に対する輸入規制の撤廃」というものがありました。

東日本大震災は2011年3月11日。あれから、ちょうど、9年半が経過しますが、東京電力福島第一原発事故を受けた諸外国・地域の輸入規制は、多くの国で継続して行われています。現時点で19か国に及びます。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000534701.pdf

一番、厳しい制限を設けているのは、韓国、中国、香港、マカオ、韓国、台湾の5つの国と地域です。日本製の食品の輸入停止措置がとられています。(ただし、台湾は、福島県,栃木県,群馬県,茨城県,千葉県の5県で生産・加工された食品)

この5か国は、近隣なので、なにかと心配なのかもしれません。我々は「風評被害」だと考えます。外務省からも「風評払拭に向けた『知ってもらう』『食べてもらう』『来てもらう』ための取組」ということを内外に宣伝しています。「世界100以上のテレビ局が放送している広報番組“Japan Video Topics”にて福島の桃を取り上げ、外務省の広報サイト“Web Japan”でも配信」しているとのことです。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100058901.pdf

ただし、相手国にとっては、単に「風評被害」ということで片づけられない問題かと思われます。

そういうなかで、モロッコが、9月11日をもって、規制撤廃の判断をしてくれたのは画期的なことです。もちろん、近隣の国でも早々と規制撤廃した国はあります。ミャンマー(2011.6)、ニュージーランド(2012.7)、マレーシア(2013.3)、ベトナム(2013.9)、豪州(2014.1)、タイ(2015.5)、インド(2016.2)、ネパール(2016.8)、パキスタン(2017.10)、ニューカレドニア(2018.8)、ブルネイ(2019.10)、フィリピン(2020.1)です。

留学生や技能実習生として日本に大勢の人が往来している国々です。これは偶然ではないように思います。経済優先という言葉で片づけるべきではなく、国と国との信頼関係があってのことだと思います。

長い先人の努力によって築いてきたこういった関係を壊さないようにすることも大切なことだと再認識しました。

(写真は、 まぁや.+*さんによる「写真AC」からいただきました)