コロナに負けず;4月1日を迎える
例年、4月1日は年度の変わり目なので、制度が変わったことについて、新聞の特集が組まれたりします。しかし、本日は、その4月1日にもかかわらず、そのような制度改正に関する記事は、ほとんど見受けられません。公共料金改定などの生活に密着した変更が今回はほとんどないためかと思われます。
新聞の多くのスペースを使っているのは、相変わらず新型コロナウィルスの感染影響です。昨日は、東京都で新たに78人、大阪府で28人の感染者が確認されたとのことなので、本日までの県別の感染者累計をグラフにしてみました。たしかに、他県と比べて、東京都と大阪府はここ数日、グラフが立ち上がってきているのが気になります。
さて、制度変更関係の記事が少ないなかで、新聞でも扱われているのが電力会社の「発送電分離」です。あまり、ニュースなどでも取り上げられませんので、なじみがないかもしれません。
これまでは、地域ごとに、「東京電力」や「関西電力」など、9つの「電力会社」が、発電も送電も、そして家庭や工場などに電気を届ける配電もすべて1社の業務としていたものを、「発電」と「送電・配電」を別会社にするものです。本日、4月1日から会社が別々になります。ただし、分離の形態は9電力すべてが同一ではなく、二つのパターンがあります。
①「発電・送電・配電」⇒「発電」/「送電」/「配電」の3分割
⇒東京電力、中部電力
②「発電・送電・配電」⇒「送電」のみ別会社、「発電・配電」
⇒北海道電力、東北電力、関西電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力
(沖縄電力は対象外)
1か月の電気料金の請求書の社名が変わるのは、①のパターンの2社のみで、②の7社は日常生活にはあまり影響がないかもしれません。
太陽光発電などの地域分散電源が増えてきたことが背景にありますが、これまでは電気の安定供給を優先し地域独占企業であった電力事業が上記のように分割されることによって、どこの電気を調達するかは自由競争になります。
目に見える効果はこれからですが、たとえば、昨年秋の台風15号や19号で千葉県などで多数の鉄塔や電柱が倒壊し長期間にわたって停電したこと、あるいは、2018年9月の大地震による北海道全域の停電(ブラックアウト)のような事態を防止する対策が優先的に検討されることを期待したいと思います。