建設業のうち、4月1日から窓口が変わる国交省大臣許可関係の再確認

建設業許可申請/変更の各種資料の提出先が、これまでは、国交省大臣提出のものも、すべて、都道府県の窓口で扱ってくれたものが、令和2年4月1日からは、「経由」が廃止され、国交省大臣提出のものは、直接、国交省へ提出となります。

この分野に精通している人にとって、「都道府県知事」に提出する場合と「国交省大臣」に提出するものの区別は当たり前のことではありますが、おさらいの意味で、どういう仕分けになっているのか整理してみました。

「国交省大臣許可か、都道府県知事許可か」は簡単で、営業所がどこにあるのかで決まります。
「国交省大臣許可」は、2つ以上の都道府県に営業所を持って営業する場合に必要になる許可です。
ただし、ここでいう「営業所」とは、常時建設工事に関する見積もり、入札、請負契約等の実体的な業務を行う事務所を指すのであって、単なる工事事務所(現場事務所)、連絡所、置き場などはこの「営業所」にはあたりません。
「営業所」がひとつであれば、迷うことなく「都道府県」知事の許可申請です。

よく勘違いされがちなのは、例えば、神奈川県知事の許可しか取得していない場合、東京都など神奈川県以外の仕事ができないのか?
これは間違いです。他の都道府県の工事を受注することは全く問題ありません。
「都道府県知事」の許可は、活動範囲を県内に限定するものではありません。単純に、営業所が一つか、あるいは複数あっても県内のみであれば知事許可を受けます。その場合でも、必要な技術者を配置することで、他県で建設工事をすることができます。たまたま、「営業所」を本店=東京、支店=横浜のように、複数の都道府県に設けているような場合には、「国交省大臣許可」になるというだけのことです。

これは、また、請け負う工事金額の大小にも関係ありません。
別に、金額による区分には、「一般建設業」と「特定建設業」という区分があります。
「特定建設業」は、「元請業者」が、工事の一部を下請に出す場合で、1件の工事あたりの下請発注金額が4,000万円(建築一式工事は6,000万円)以上になる場合に許可を取っておかなければならない業者の区分です。

したがって、工事の請負金額がいくら大きくても、工事のすべてを自社で施工する場合、つまり、下請に工事を発注しない場合は、当然に「一般建設業」の許可で対応できることになります。

脱線しましたが、令和2年4月1日から窓口が変更になるのは、「営業所」を2つ以上の都道府県に営業所を持って営業する場合、建設業の許可が「国交省大臣」に申請することになり、関東の場合、東京都や神奈川県知事経由の申請ではなく、直接、国の機関である国交省「関東地方整備局建設部産業第一課」へ提出することになる点を押さえておけば十分です。

(写真は、photoBさんによる「写真AC」からいただきました)