技能実習制度によって外国人がどれだけ増えているのか

様々な産業の分野で人材不足が問題になっています。人口の高齢化が進み、都市部に集中し、地方が過疎になっていること、少子化の流れが止まらないことなど、いろいろな要因があります。

それを穴埋めするために、外国人の労働力に頼るようになってきました。居酒屋などの飲食業では外国人が店員として働いていますし、コンビニでもよく外国人をみかけるようになりました。この多くは、入管局に許可を得た「留学生」だったりします。

また、専門能力と日本語を母国で勉強し試験に合格することと引き換えに、同一の条件で雇用される日本人と同等の賃金などのしっかりとした処遇を約束する「特定技能」という新しい制度は、令和元年度から始まったものですが、それ以前から「技能実習」という制度で多くの外国人が実際に就労しています。

ここ数年、けっこうな数の外国人が入ってきているものと思いますので、統計データを見てみます。
主に観光を目的とした訪日外国人は急激に増加していて、2018年(平成30年)の訪日外国人は3千万人に迫る数になっています。一方、商用目的の人数は、グラフでは変化が読み取れないほどの推移となっています。(棒グラフの青い部分)

この統計の分類に問題があるわけではありません。「技能実習」の在留資格を得て滞在している外国人の数は、2018年(平成30年)末の時点で、約33万人に過ぎません。日本全体で就労人口約6千万人の0.5%に相当する数字です。

ずいぶん、少ないことの驚かされます。それでも、あちこちで外国人労働者をみかけますし、一方で、劣悪な労働環境に置かれるなど問題が指摘されるなどの社会問題になっています。「技能実習」の制度は、1993年(平成5年)から始まっています。その状況を少し掘り下げていきたいと思います。