民法改正を目前に控えて
なかなかたいへんな課題なので、先送りしてきましたが、この秋に行われている行政書士をはじめ、各資格の試験が最後で、来年度の試験からは、改正されて、令和元年4月1日に施行される「改正民法」が出題の基本になります、来年の受験生は、頭を切り替える必要がありますので、たいへんだと思います。
実務の面は、もう少し複雑で、例えば、本年度中に契約書を作成するような案件は「旧法」に基づくものになると思いますが、将来、それをめぐって当事者間でトラブルが発生した場合はどうなるのか。最低でも、民法に何等かの関係のある「士業」の者は、新旧両方を対比表のように、頭のなかで持っておかなければならないものと思います。
さて、その、来年改正される民法の中身を解説した本や資料はいろいろ出てきています。
てっとりばやくポイントをつかむには、法務省自身が出しているパンフレットが簡潔で便利です。
http://www.moj.go.jp/content/001254263.pdf
「2017 年(平成 29 年)5月に成立した「民法の一部 を改正する法律」が 2020 年4月1日から施行されます。 民法には契約等に関する最も基本的なルールが定め られており,この部分は「債権法」などと呼ばれます。 この債権法については 1896 年(明治 29 年)に制定 されてから約 120 年間にわたり実質的な見直しがほと んど行われていませんでした。 今回の改正では,①約 120 年間の社会経済の変化へ の対応を図るために実質的にルールを変更する改正と, ②現在の裁判や取引の実務で通用している基本的な ルールを法律の条文上も明確にし,読み取りやすくする改正を行っています。」というのが、今回の趣旨ということです。
中身に立ち入ると、このパンフレットそのものを「コピペ」することになってしまいますので、項目だけ、ここに転記しておきます。
☆約120年間の社会経済の変化への対応(実質的なルールの改正) 1 保証人の保護に関する改正 2 約款(定型約款)を用いた取引に関する改正 3 法定利率に関する改正 4 消滅時効に関する改正
☆民法のルールをより分かりやすいものとする改正 1 意思能力に関するルール 2 賃貸借に関するルール
何しろ、120年ぶりの改正ということなので、いろいろな先生の解説に注目し、これからも、適宜、大事な点をアップしていきたいと思います。